以前に比べて乗りやすくなった最新システム
実物を見れば、写真以上にその大きさをまざまざと見せつけてくるウルトラ。バイクに乗り慣れている人でさえ躊躇うビッグボディです。「とてもじゃないけど扱いきれるわけがない」、初めてウルトラを前にしたとき、私でもそう躊躇しました。もちろん以前と比べても大きさはさほど変わっていませんが、実際に乗ってみると「あれ?意外に乗りやすい」と思えるパワーアップをはたしているのです。まずはこちら、以前と比べて剛性アップした新型フレームとフロントフォークの採用です。特にフレームですが、画像の赤い部分(フレームの支点)の強度があがっており、ここがバイクを取り回すライダーへの負担を軽減してくれているのです。
続いてブレーキですが、これまでだと[ハンドブレーキはフロントを]、[フットブレーキはリアを]と別々で作動させるのが一般的でしたが、2014年モデルから採用された新型ブレーキングシステムは、ハンドブレーキとフットブレーキ、どちらを使っても前後ブレーキがバランスよく作動するようになったのです。これによって、走行中の急なブレーキングで車体バランスを崩す可能性がぐっと低くなりました。
長旅を楽しくさせる充実の装備群
高剛性フレームや新型ブレーキングシステムによってライディングパフォーマンスを大幅にアップさせたウルトラ。そんなウルトラ最大のメリットは?と言われると、やはり充実の装備群に他なりません。アメリカを走破することを目的としたバイクですから、装備の充実度合いは他モデルを圧倒する内容になっています。フェアリングにはスピード&タコメーター、ガソリン残料計などのほか、音楽を楽しめる『Boom!? Box 4.3ラジオ』が搭載。スマートフォンなどのデバイスと接続すれば、自分の音楽をスピーカーから楽しめる
メガクルーザーとしてやはり必要なのが高い積載能力。その点についてもハーレーに抜かりはありません。以前のモデルよりも開閉しやすくなったトップケース&サドルケースは十分な容量を誇り、あらゆる荷物を受け入れてくれます。このパワフルな走行性能にこれだけの装備が備わっているのですから、北海道や九州すらご近所に思えてしまうかもしれません。
そんなメガツアラーであるウルトラの本質は、街乗り程度で分かるものではありません。特に、100キロを目安にエンジン熱がどれほどのものか、チェックしておく必要があります。そこで今回、アクアラインを利用して東京~千葉~神奈川の3県100キロ超えテストライドを行ってみました。
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