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ホンダ 400X 一週間通勤試乗インプレッション

ホンダからニューファンダメンタルというコンセプトでリリースされた三台のうちの一つである400ccアドベンチャーバイク400X。他の二台のレーシングレプリカスタイルCBR400R、ネイキッドスタイルのCB400Fに比べるとまだユーザーが少ないのが現状ですが、車両が秘めた性能は実際どうなのか?都内の通勤で試乗して400Xのインプレッションをお届けします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

数少ない400ccアドベンチャーモデル 400X

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ホンダは2013年にニューファンダメンタルというコンセプトを打ち立て、フレームやエンジンを共通としつつ異なるジャンルのバイクを3台リリースしました。ネイキッドスタイルのCB400F、レーシングレプリカスタイルのCBR400R、そしてアドベンチャースタイルの400Xです。

最近はジャンルを掛け合わせたモデルが多くなっていますが、とりわけオフロードの要素を加えたアドベンチャーモデルが増えてきている印象ですが、アドベンチャーモデルの多くは大排気量で、400Xリリース当時は400cc以下の普通免許で乗れるモデルは400X以外にはありませんでした。

排気量が大きくなると車重が重くなるため、オンもオフも走るアドベンチャーモデルといわれても実際の用途はツーリングメインになってしまいます。そうなってくると400ccのアドベンチャーモデル400Xは非常に希少な存在なのでは?と思いますが、タイヤは普通のロードタイヤで足回りもCB400FやCBR400Rとほとんど変わらないため、見た目はアドベンチャーですがアドベンチャーモデルというには少々装備は物足りない印象。

中途半端な印象であることと、アドベンチャーモデル自体がレーシングレプリカスタイルやネイキッドスタイルに比べるとユーザーが少ないこともあり、他の二台に比べると400Xの販売台数は伸び悩んでいますが、販売台数と車輌が秘めた性能が比例するとは限りません。今回、一週間しっかりと通勤で使った試乗インプレッションをお届けします。

足つきや燃費は?400Xと他の二台の違いをチェック

400X フロントビュー

ホンダ 400X フロントビュー

フレームやエンジンを共通とする三台は、数字上のスペックはほとんど共通ですが、400Xのみフロントフォークのキャスター角が25°55′で、他の二台は25°30′と異なります。キャスター角は直進安定性やコーナリング時などのハンドルの切れに影響しますが、ほとんど数字上の違いはありません。

シート高は、他の二台が785mmなのに対して400Xは795mmです。アドベンチャーモデルはシート高が高い車輌が多いのですが、400Xはアドベンチャーバイクとしてはシート高が低めで、車体が細いので数値以上に足つきは良く感じます。ハンドル形状はCBR400Rがセパレートハンドル、CB400Fがほぼ一文字のハンドルを装備しており、400Xはポジションに余裕があるアップライトハンドルが採用されています。

ガソリンタンク容量は他の二台が15Lなのに対して、400Xは17Lです。燃費の良いエンジンを搭載しているため、2Lの差は連続航行距離に大きな差をつけます。こうしてみると他の二台と比べて細かいところが違う400Xですが、実際に試乗してみると乗り心地はどんな感じなのか?見ていきましょう。

400Xはまるで250ccクラスのオフロードバイクのように扱うことが可能!

400Xundefinedサイドビュー

400X サイドビュー

CB400FやCBR400Rは過去に試乗経験がありますが、「ポジションは違うものの、CBR400RとCB400Fは外装が違う同じバイク」という感覚がありました。400Xも同じようなものかな?と思っていたのですが、運転してみると他の二台と違う感覚がありました。

特筆すべきはハンドリングの軽さで、まるで250ccのオフロードバイクを操っているかのような感覚。このハンドリングの軽さはCBR400RやCB400Fを運転しているときには味わえないものです。

ホンダの広報担当者とお話しし際に「CBR400RやCB400Fと車体が変わらないのにこんなにハンドリングが軽いのは何故なのか」聞いたところ、理由は意外にも「着座時のポジション」にありました。

CBR400RやCB400Fはレーシングレプリカスタイルやネイキッドスタイルの特性上、若干前かがみになります。そのため力が入らないよう意識していても腕や手に力が入ってしまいます。それに比べて400Xの場合はほとんど直立姿勢に近いため力が入らず結果的にハンドルを切りやすくなっているとの事でした。ただし単純にポジションが直立に近いだけではハンドリングは軽快にならず、車体のセッティングが優れていてこそ軽快さを体感できます。

ハンドリングの軽快さだけでなく街中での走破性も極めて高く、低速でも粘るエンジンはせわしなくギアチェンジをする必要がありませんでした。エンジンを回せば、フラットでマイルドながらもしっかりと力強く加速するため、車線変更も楽々。

他の二台と比べて車重がほぼ変わらないため燃費は相変わらずとても優秀です。今回も街中の試乗で30km/L以上走ることができました。400Xは燃料タンク容量が17Lですから無給油で500km程度の走行が可能です。

去年から今年にかけて乗ったバイクの中で街中の走破性はナンバー1

400X リアビュー

400X リアビュー

試乗インプレッション用に年間で30台以上のバイクに乗っていますが、2015年に試乗したバイクの中でも400Xは街中での走破性がとにかく高いモデルです。ハンドリングの軽快さにプラスして低速でも良く粘り、エンストしにくいエンジンを搭載している為に小回りが楽でバイク自体も軽いため気負い無く乗ることが出来ます。

フルカウルのCBR400Rが68万9千40円なのに400Xは更に高い69万8千760円と割高です。ネイキッドやレーシングレプリカスタイルの車輌に比べてアドベンチャースタイルは人気がない為に魅力が伝わりにくいバイクですが、他の二台に比べてタンク容量は大きく無給油で巡航できる距離が長く、大き目のウインドスクリーンは風当たりを減らし疲労を軽減します。

遠出するにもパワーは充分で燃費は抜群。その上、軽快なハンドリングは山道などでも楽しく走行することが出来そうです。他に話題の車輌も沢山ありますが、私的にはあらゆる用途に対応できる最高のバイクの一台です。

400X少しカスタムするなら

街中はもちろん、長距離ツーリングにも最適な400Xは積載を増やす為のアイテムを追加したいところ!リアボックスをつけてもいいですし、荷物を積載するにも最適です。

リアボックスで足りなくなったら次はパニアケースを検討したいところです。リアボックスとパニアケースを装備すると積載性は最強で、キャンプツーリングや連泊するロングツーリングなどに最適です。別途パニアホルダーが必要になるので注意が必要です。

■主要諸元■
車名/型式 ホンダ 400X/2BL-NC47
総排気量 399cm3
全長×全幅×全高 2085mm×830mm×1335mm
軸間距離 1410mm
シート高/最低地上高 795mm
車両重量 192kg
エンジン形式 NC47E
燃料消費率(km/L)(国土交通省届出値60km/h定地燃費値) 39.7km/L 2名乗車時
燃料消費率(km/L)(WMTCモード値) 28.2km/L 1名乗車時
最高出力 34kW(46PS)/9500rpm
最大トルク 37N・m(3.8kgf・m)/7500rpm
燃料供給方式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
燃料タンク容量 17L
タイヤサイズ(前) 120/70ZR17M/C (58W)
タイヤサイズ(後) 160/60ZR17M/C (69W)
ブレーキ形式(前) 油圧式ディスク
ブレーキ形式(後) 油圧式ディスク
"出典 HONDA 400X 主要諸元 http://www.honda.co.jp/400X/spec/"

400X関連リンク

400Xのエンジン音 マフラー音 各部詳細はこちらの動画でご確認下さい
同じコンセプトのネイキッドスタイルバイク CB400Fの試乗インプレはこちら
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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