鉄道/鉄道デビュー・開業情報

温かみのあるローカル線「えちぜん鉄道」の魅力

福井県内の有名観光地である永平寺、勝山、東尋坊へのアクセスに便利な鉄道として長らく親しまれてきたが、相次ぐ事故や経営不振で廃止に追い込まれてしまった京福電鉄。そこで、その路線のほとんどを引き継いで2003年に運行を再開したのが第3セクター「えちぜん鉄道」である。地域密着の鉄道として人とのふれあいを重視した温かみのある鉄道として注目されている。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

福井駅から出発!えちぜん鉄道の旅

勝山に到着したえちぜん鉄道の電車

勝山に到着したえちぜん鉄道の電車


えちぜん鉄道は、JR福井駅の隣にある福井駅を起点として、勝山に至る勝山永平寺線と福井から2駅先の福井口から分かれて三国港に向かう三国芦原線の2つの路線から成り立っている。それぞれ昼間はきっかり30分毎の運転で、利用しやすい便利なダイヤである。車両はクロスシート主体の電車で、旅行者にも好評のようだ。それでは、福井駅から出発しよう。

九頭竜川に沿って勝山へ

福井口駅での行き先

福井口駅で行き先は2つに分かれる


まずは勝山行きに乗車。福井口で分岐し、越前開発(えちぜんかいほつ)という不思議な名前の駅を過ぎ、福井の郊外を東へ向かう。昼間はすべて普通列車で各駅に丹念に停車していく。趣のある駅舎が多く、風情のあるローカル線だ。松岡あたりから九頭竜川に沿って走るけれど、ちょっと離れていて車窓から堪能できるわけではない。

永平寺口駅

かつては永平寺線が分岐していた永平寺口駅


かつて永平寺線が分岐していた永平寺口に停車。寅さん映画「男はつらいよ 柴又慕情」にも登場した駅である。現在は、永平寺へ、向うにはバスに乗り換える。

九頭竜川

車窓から見える九頭竜川


轟(どめき)という難読駅を過ぎる頃から、次第に両側に山並みが迫ってくる。小舟渡の手前でようやく車窓に九頭竜川が登場。時折、茂みなどで見え隠れしているうちに、終点勝山に到着する。福井から50分少々の旅であった

勝山のみどころ

勝山駅

駅前に恐竜モニュメントのある勝山駅


勝山は近年恐竜の化石が発掘されたことで有名になり、町はずれに恐竜博物館もある。それをアピールするためか、駅前にも恐竜のモニュメントが立っている。恐竜の他には、歴史的な電気機関車と貨車を保存したミニ博物館もあるので、鉄道ファンには見逃せないだろう。また、駅舎内にはカフェがあり、電車待ちには便利だ。

歴史的車両

勝山駅脇の保存展示中の歴史的車両


勝山の市街へは、九頭竜川を渡って徒歩で15分くらい。バスもある。かつて織物で栄えた町なので、はたや記念館があり、往時をしのぶことができる。

はたや記念館内部

往時をしのぶことのできるはたや記念館内部


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