同じスクランブラーを名乗るモデル
2015年3月、大阪と東京で開催されたモーターサイクルショーでお披露目されたドゥカティ スクランブラーがいよいよ日本の道路を走り出しました。スポーツバイクとして高い性能を持ちつつファッショナブルにまとめられた注目のモデルはさすがドゥカティと唸らされる仕上がり。
さてそのスクランブラーですが、先んじて名乗っていたモデルが存在します。それが、イギリスのモーターサイクルメーカー『トライアンフ』のスクランブラー。そもそもスクランブラーとはアメリカで生まれたオートバイのカスタムスタイルで、1960年代、舗装されていない道を走るうえでブロックタイヤを履かせ、アップマフラーにしたもの。
スクランブラーの存在を知らしめたのが、1963年公開の映画『大脱走』でした。主演のスティーブ・マックイーンがオートバイで鉄条網を飛び越えるシーンが話題を呼び、このときのオートバイがトライアンフ TR6 トロフィーというモデルだったのです。なので、年配の方はスクランブラーと聞くと、トライアンフをすぐに連想されるのではないでしょうか。
それぞれの誕生背景を知る
まずトライアンフ スクランブラーですが、登場したのは2006年。同メーカーが誇るバーチカルツインモデル ボンネビルをベースに、前後のサスペンションを伸ばし、エキゾーストを股下に通し、専用ハンドルなどを備えたトライアンフ流に解釈されたスクランブラースタイルが大きな特徴。スポークホイールにブロックタイヤという組み合わせから、未舗装路でもガンガン走れちゃいそうな雰囲気がいいですね。
そしてこちらが今回登場したドゥカティ スクランブラー。こちらも歴史を紐解くと、1962年にドゥカティがアメリカ市場向けに開発&販売した同名の「スクランブラー」をご先祖様に持ちます。伝統の空冷Lツインエンジンを心臓に、専用設計のプロダクトとされる期待のモデルで、ブロックパターンを用いた専用タイヤを備えつつも、ドゥカティらしいスポーツライドをしっかり味わわせてくれるストリートスポーツバイクという仕上がり。
同じ名を持ちつつも、開発意図から仕上がりまで、何もかもが異なるふたつのスクランブラー。それぞれの足着きやライドフィールを比較していきます。
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