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記事例:「なんで結婚しないの?」に答え続けるのにもう疲れました
東京都内のスーパーのトイレに、亡くなった妻の頭蓋骨を流した男性が書類送検された。この68歳の男性は、「生前の憎しみから、突発的にやってしまった」と認めているという。妻の遺骨をスーパーのトイレに流すほどの憎しみとは、どれほどのものなのだろうと考えさせられた。

亡くなれば仏さま。ましてや長年連れ添った妻だろう。だが、この男性に突発的にそんなことをさせてしまうほど、妻は憎悪を買っていたのだ。
夫婦ってなんだろう、と改めて思わざるを得ない。

憎悪の感情にとりつかれると自分が苦しい

老夫婦

長く連れ添ったからこその憎しみがある?

老夫婦となって憎しみ合うのはせつないことだ。お互いしか頼る相手がいなくなっているのに、ふたりの間に憎悪の空気しかないとしたら……。日々、つらくてたまらないのではないだろうか。

以前、60代後半の女性に話を聞いたことがある。彼女の夫は、若いときから浮気三昧。つらい思いをさせられた夫を、彼女は長い間、憎んでいた。子どもが大きくなったら離婚しよう、夫が定年になったら離婚しようと思っているうちに年月が過ぎていく。

そして、夫は定年後、病に倒れてほぼ寝たきりになってしまった。彼女は家で介護をする日々。
「趣味で通っていた刺繍教室もスポーツジムもやめるしかなかった。夫をかわいそうだと思う気持ちは微塵もなかった。定年になってからは、こういう形で私を苦しめるのか、とますます憎悪が募っていった」

だが、「人として」、病気の夫を見捨てることはできなかった。夫は運動機能だけではなく、言語障害もあって、はっきり意思を伝えられない。自分にいらついているのだろう。かすかに動く右手で、彼女を殴打しようとしたこともある。

「でもほぼ寝たきりだから、何もできませんよね。そうこうしているうちに、この状態なら、私はいくらでも復讐できると気づいたんです」

寝たきりの夫を置いて、彼女はときどきほんの数時間、外出する。出かけるときは、夫の布団の近くに、水やティッシュを置いていく。枕元ではないのだ。つまり、手が届きそうで届かない場所に、自分がいない間、夫がほしがるであろう水などを用意しておくのである。

「軽いプラスチックのコップならひとりで飲めなくはないんです。それをわざと手の届かない場所に置く。夫は布団から這い出してコップをつかもうとするようですが、たいてい飲めずにいる。帰宅してそれを確認するのが楽しみになっています」

この話を彼女から聞いたとき、私は思わず顔を見つめた。ひどいことをする、というよりは、そこまでしてしまう根深い憎しみに、気持ちをもっていかれたのだ。

だが、もちろん彼女だって、そういうことをしていて楽しいわけではないはずだ。
「こんなことをしても気持ちは晴れない。だけど、相手が病人になってしまったから、今さら感情をぶつけることもできない」

最後にそう言った彼女の顔は、やつれ果てているように見えた。

>>男女間の憎悪は特別なのだろうか?