東レの主力事業は?

炭素繊維は航空機向けに

炭素繊維は航空機向けに

東レ<3402>は、繊維製品及び人工皮革などの合成繊維製造の最大手で炭素繊維も世界首位。また、エンジニアリング樹脂や高性能フィルムなど様々な産業用材料、電子回路や液晶用カラーフィルターなどの情報関連製品、水処理用の逆浸透膜、人工腎臓や透析装置など医療分野まで幅広くビジネスを展開しています。

その中でも成長ドライバーとして最も期待されるのが、炭素繊維複合材料の航空機や自動車での需要拡大です。

航空機・自動車分野で立て続けに受注

東レは2014年11月、ボーイングの現行機と次期大型旅客機「777X」の主翼部分に今後10年以上に亘り炭素繊維複合材料を独占供給することに基本合意。1000億円を投じて米国に世界最大級の炭素繊維工場を建設する予定です。

高い技術力が求められる航空機分野で過去最大の受注であり、日本企業の高い技術力が世界競争を勝ち抜く代表例と言えそうですね。

また、自動車分野ではBMWが量産モデル「i3」や「i8」のボディ骨格に、トヨタ自動車が水素自動車「MIRAI」に炭素繊維材料を採用。

炭素繊維複合材料は強度が鉄の約10倍で重量が鉄の約1/4と、アルミニウムを遥かに凌ぐ高い強度と軽量化効果が得られ、車の骨格に採用した場合、燃費が約40%以上改善すると言われています。燃費や航続距離を重視する次世代車にとっても無くてはならない素材になりつつあります。

課題であるコスト面でも、炭素繊維複合材料の量産技術開発に経済産業省が国家プロジェクトとして支援しており、今後5~10年間で数百億円を助成する方針です。東大と名大の拠点で量産技術や部品コストを鉄並みに引き下げる研究も進められています。

今後、さらにコスト低減が進めば低燃費車への採用にも弾みが付くことになりそうです。

今後の注目点

2016年3月期以降も、需要増と生産能力増強の効果で航空機向けの炭素繊維複合材料の成長、自動車向け樹脂などの出荷が拡大し、中期経営課題で取り組むコスト削減効果と相まって概ね順調な増益基調が続くと考えられます。

ただ、当社の収益構造は円安や原油価格の下落が業績にポジティブな影響を及ぼすため、為替相場や原油価格の動向は注意して見て行く必要があります。

また、転換社債の権利行使進展による希薄化リスクも念頭には入れておくと良いと思います。

上場来高値に挑戦!

東レの株価は2015年1月28日に2006年以来の株価1000円の大台に乗せ、それ以降も順調に推移しております。

今後、炭素繊維複合材料での航空機や自動車での需要拡大の具体的な発表や、株主還元策などが示されて株価が動意付くかも知れませんね。

大きく羽ばたいていくことが期待されます。
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