その4、写真を撮る楽しみとマナー
スマホが普及して誰もが気楽に写真を撮ることができるようになった。高級な一眼レフカメラを持ったいわゆる「撮り鉄」でなくても、駅や車内で写真を撮りたくなる人も多いだろう。しかし、狭いホームや線路際では、かなりのスピードで列車が走って危険を伴うため、注意することを心がけてほしい。
とくに、望遠機能がなく、広角レンズ主体の簡単なカメラ(スマホ)を持っていると、列車に近づこうとしがちだ。危険なだけではなく、同じ車両を撮影しようとしている人が背後に大勢いることを知って欲しい。皆が少し下がれば仲良く納得のいく写真が撮れるのに、前へ出過ぎれば他の大勢の人の邪魔にもなってしまう。
撮影するときは、まわりでカメラを構えている人がいないか気配りをしたい。また、運転台に向かってフラッシュを焚くのは、運転の妨げになる危険行為なので、これは厳禁。自動カメラの場合は、ストロボ機能を解除して撮影しなくてはならない。
その5、集める楽しみは無限に広がる
列車に乗ったり、写真を撮る以外の楽しみとしては、鉄道にかかわる様々なもののコレクションがある。■切符のコレクション
まずは切符。都会では紙の乗車券不要のICカード利用が増えたけれど、長距離列車や地方のローカル線では切符が健在だ。ちなみに、降りる時に記念に欲しいと言えば、もらえることも多いし、中には乗車記念のスタンプを押してくれる駅もある。
切符売り場のある駅では、入場券を購入しておくと旅の記念になるし、ささやかながらローカル線の支援にもつながる。鉄道会社によっては、硬券(昔ながらのボール紙に印刷した切符)を鉄道ファン目当てに用意しているところもある。他には、記念乗車券、記念入場券もあり、集めてみると楽しくなる。
■駅スタンプ
切符は有料だから、1枚1枚は小額でも、毎度購入しているとかなりの出費になるかもしれない。そこで、懐具合が気になる人に薦めたいのは駅スタンプのコレクション。専用のスタンプ帳も市販されているし、自分なりのノートなどに押印してもいいかもしれない。全ての駅にあるとは限らないけれど、降りた駅で見つけたら押してまわると楽しいだろう。
■鉄道グッズ
最近多いのが、鉄道グッズ。キーホルダー、バッジ、ボールペン、絵葉書、模型といった定番ものから、列車の写真、イラストやロゴが印刷されたカップ、グラス、飲食物などキリがないほど。
こうした収集物は、費用のみならず、自宅での保管場所に苦労することもある。「鉄道」という漢字を分解すれば、「金」を「失」う「道」となる。ハマりすぎると自滅したり、家庭崩壊につながる危険もあるので、何事もほどほどに! もっとも、それくらい魅力的なのが、鉄道趣味なので、あとは各自の責任のもとに行動してほしい。
参考文献 拙著『鉄ちゃんに学ぶ「テツ道」入門』(光文社知恵の森文庫、電子本あり)