トライを取れる山田
ポテンシャルはNO1の稲垣
松島は馬力と俊敏性を兼備

田中選手と同じ所属先のパナソニックからオーストラリアのウェスタン・フォースに加入したウイングの山田章仁選手の持ち味は、先に述べたようなアジリティやスキルと、走り切ってトライを取れるスピードです。また彼はボールを呼び込む力に優れていて、いい場面にいい形で顔を出してボールを受け、チャンスをさらに広げることができます。言葉のやりとりを越えた部分で意思の疎通ができる本物のコミュニケーション力を備えており、それは必ずチームから信頼を得る上での大きな助けとなるでしょう。多くの日本人選手に注目してもらいたい部分でもあります。

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ポテンシャルを高く評価される稲垣啓太。アスリート能力は海外でも十分通用するレベルだ (C)JRFU 2014, photo by Kenji Demura

同じくパナソニック所属のプロップ稲垣啓太選手(レベルズ)は、183センチ、115キロと恵まれたサイズに加え体つきが外国人っぽく、体格的にはスーパーラグビーの中でもまったく見劣りしません。個人的には「普通にやって、普通に通用してくれるんじゃないか」という期待があります。プレースタイルはトップレベルのアスリート型フロントローで、走れてタックルができ、ボールキャリーも強く、ブレイクダウンでもしっかり仕事をできる。まさに現代ラグビーにマッチしたモダンPRという印象です。ポテンシャルはおそらく今季スーパーラグビーに行く日本人選手の中で一番高いくらいでしょう。性格的にも真面目で、過酷な環境に行けば行くほど奢らず背伸びをせず地道に努力することができます。きっと真価を発揮してくれると思います。

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敏捷性と馬力の両方を兼備する松島幸太朗。かつて南アフリカ・シャークスアカデミーに所属するなど海外経験も豊富 (C)JRFU 2014, photo by H.Nagaoka

サントリーから昨年のスーパーラグビー王者であるワラタスに期限付き移籍で加入するユーティリティバックの松島幸太朗選手は、ジンバブエ人のお父さんと日本人のお母さんを持つハーフで、外国人の馬力と日本人のアジリティという両方の武器を兼ね備えています。175センチ、85キロとサイズは決して大きくありませんが、フィジカルはとても強靭で、勝負所になればものすごいヒットで相手を引きずりながら前に出ますし、逆に差し込まれそうになった時には細かいステップを踏んでかわすこともできる。海外の選手にすれば「どっちのタイプだ?」と迷うでしょうし、非常に怖い存在になるでしょう。

日本育ちの真価に期待
リーチは国際的なリーダーに!

リーチ マイケル選手(東芝/チーフス)とツイ ヘンドリック選手(サントリー/レッズ)はともにNZ出身で、リーチ選手は高校から、ツイ選手は大学から日本に留学し、その後帰化しました。「外国人選手」という感覚を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、ふたりとも日本に来て多くの事を学び、日本でプレーすることを通じて大きく成長していきました。「日本育ち」であることは他の日本人選手と同じですし、彼らがどれだけ活躍できるかは、日本ラグビーの実力を測る上での貴重な指針となるはずです。

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突破役として非凡な能力を誇るツイ ヘンドリック。日本で成長した姿を披露したい (C)JRFU 2014, photo by H.Nagaoka

ツイ選手は帝京大学時代からFWの突破役として大きな存在感を示してきました。ターゲットとして日本人特有の低いタックルや複数によるタックルを数多く受けてきた経験は、海外においても生かせるのではないかと感じています。大味な相手ディフェンスに対して単純にぶちかますのではなく、接近したところで細かくステップをふんでずらしたりするなど、日本人らしいプレーが今後はより生かせるはずです。もちろんスピードやダイナミックさといった要素も彼の持ち味ですが、それ以上に、日本でプレーしたことで身についたキレのある動きが今後は生きてくると思います。

リーチ選手は、ツイ選手よりさらに早い高校時代(札幌山の手高校)から日本でプレーしてきました。いまでは日本代表のキャプテンを務めるほどに成長し、彼の献身的な姿勢、仕事量と勝負所での判断力は、まさに生粋のリーダーであると感じます。

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日本代表を牽引するリーチ マイケル。その卓越した統率力をスーパーラグビーでも発揮することが期待される  (C)JRFU 2014, photo by H.Nagaoka

そんな彼に私が期待するのは、単なる1プレーヤーとしてチーフスに加わるのではなく、向こうでもリーダーを務めるレベルの選手になってほしい、ということです。彼の人間性、謙虚さ、チームに対する忠誠心は、インターナショナルレベルで見てもトップクラスのリーダーに価するでしょう。スーパーラグビーの中でもトップチームであるチーフスでも、ぜひチームトークを仕切るような存在になってほしいと願っています。



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