北陸新幹線の旅、その1(長野~富山)
それでは、長野から金沢に向けておもな駅の様子や車窓を紹介しよう。
長野の市街地を抜け、善光寺平を快走。遠くに北信五岳の山々を見つつ、トンネルをはさんで千曲川を2度渡ると僅か10分あまりで飯山である。JR飯山線なら速くても45分程度かかったので、驚異的な時間短縮だ。飯山線の旧飯山駅を移転してできた新しい飯山駅。地元出身の高野辰之が作詞した唱歌「故郷」(うさぎ追ひし彼の山・・・)が発車メロディーとして使われる。
JR飯山線については、『JR飯山線に観光列車「おいこっと」デビュー』もご覧ください
飯山を出ると、北陸新幹線では最長の飯山トンネル(22.2km)(日本の鉄道トンネルでは第4位)に突入する。10分近く闇の中を走り、外に出ると、左手には妙高山を中心とした雄大な山並みが望まれる。そして、その玄関口上越妙高駅に停車する。
すぐ近くを走っていたJR信越本線脇野田駅を移転して連絡駅としているが、新幹線開業と同時に信越本線長野~直江津間は第3セクター鉄道に転換され(長野~妙高高原は、しなの鉄道北しなの線、妙高高原~直江津はえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)、駅名も上越妙高駅と改められる。なお、この駅から金沢駅までは、JR西日本の管轄となる。また、妙高はねうまラインに乗れば、直江津までは15分程度だ。
上越妙高を出ると、トンネルが連続する。またしても10分近く闇の中であるが、最後のトンネルを抜けると、糸魚川駅の手前で右手に日本海が見えてくる。糸魚川駅は在来線に併設された駅で、JR北陸本線から移管されたえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインとJR大糸線の列車が発着する。
糸魚川を出て、しばらく車内から屋並みの向こうに日本海が見えたあと、難所親不知付近は連続するトンネルに遮られ何も見えない。トンネル群を抜ければ、右手に日本海の姿はない。今回の開業区間の中では最長の黒部川橋梁(759km)を渡るあたりからは、左手に立山連峰、後立山連峰のスケールの大きな山容が望まれる。北陸新幹線の車窓からは、雄大な山並みを各所で見ることができ、これが列車に乗る楽しみとなる。
黒部宇奈月温泉駅は、JR北陸本線とは離れた位置にあり、唯一乗り換えできるのは富山地方鉄道本線の新黒部駅である。ここから地鉄の終点宇奈月温泉駅までは各駅停車で25分程度だ。宇奈月から発車する黒部峡谷鉄道トロッコ列車方面へのアクセスが格段によくなったので、観光には便利な駅であろう。
短いトンネルをいくつか抜けた後、平地を快走。次第に家並が増えてくると富山着。「かがやき」を含め全ての列車が停車する。