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DC制度拡充で個人年金保険加入はちょっと待った!?(2ページ目)

老後のために個人年金保険を検討している人は、今は慎重な判断が必要かもしれません。なぜなら、よりメリットの大きいDC制度の活用が、今後はますます広がりそうだからです。

執筆者:村岡 里香

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確定拠出年金制度(DC)が大幅拡充へ

DC制度とは、公的年金を補うための自己責任型の年金制度。会社が掛金を払ってそれを従業員自身が運用するしくみの「企業型」と、個人が自分で掛金を払って運用するしくみの「個人型」の二つの制度があります。

DC制度の魅力は、個人年金保険やNISAなどを上まわる税制優遇です。掛金が全額所得控除されるので所得税や住民税が軽減されます。そして運用中に得た収益は全額非課税です。さらに60歳以降に受け取る時も、年金で受取る場合は公的年金等控除、一時金で受取る場合は退職所得課税が適用されます。この大きな税メリットの代わりに、運用資産は原則60歳まで引き出せないという制限もあります。

そしてだれでもDC制度を利用できるわけではありません。企業型加入者になれるのはDC制度を導入している企業の従業員のみ、個人型加入者になれるのは自営業者や企業年金制度を持たない企業の従業員のみです。専業主婦や公務員の人などは、利用したくても加入資格を持ちません。

ところが今回、厚生労働省が公表した2015年度税制改正案で明らかになっているのは、以下のような個人型DC制度の拡充策です。

・専業主婦も個人型で年額27.6万円(月額2.3万円)まで掛金を払って運用できるようになる
・公務員やDC以外の企業年金制度をもつ企業の従業員も、個人型で年額14.4万円(月額1.2万円)まで掛金を払って運用できるようになる
・企業型加入者も、個人型DC制度への加入を可能とする旨を規約で定めた場合は、年額年額24万円(月額2万円)もしくは年額14.4万円(月額1.2万円)まで個人型にも加入できる
ようになる

要するに、現役のだれもがDC制度を利用できるようになるということです。老後資金作りの手段としての効率性は何と言ってもDC制度が抜群です。掛金の額も自分で設定でき、途中の変更も可能。運用商品も自由に変えられるという柔軟性もあります。今後は個人年金保険よりもDC制度を選ぶ人が増えてくるでしょう。ただし上記の実施は、2015年の通常国会で法改正をした後、早くても2016年4月以降ということです。

個人年金保険をやめてDC制度を利用したくなったら?

ではすでに個人年金保険に加入している人が、途中で積立先をDC制度に切り替えたくなったらどうしたらよいでしょうか?先ほど述べたように、個人年金保険は中途解約すると元本割れして不利になってしまう可能性があります。

そこで払い済み保険にするという選択肢があります。払い済み保険とは、途中から保険料の払い込みを止めて、保険期間は元の契約のままで、保障額は元の契約よりも少ない保険に変更するというもの。これなら解約をしないで保険を継続しつつ、毎月の積立先をDC制度に変更することができます。

ただし、税制適格特約の付加された個人年金保険は契約日から10年間は払済保険への変更ができないという制限があります。いざという時に払い済みにできるのかどうか、気になる人は約款や窓口で確認してみてくださいね。

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