観光列車「おいこっと」の車両について
新しい観光列車の愛称は「おいこっと」。聞き慣れない言葉だが、それもそのはず、東京のローマ字表記TOKYOを逆から読んでOYKOT(TOKIOならOIKOT)とした造語で、東京とは真逆で対極にある鄙びた田園、「日本人のこころのふる里」をイメージしたとのことだ。
唱歌「故郷」ゆかりの沿線であることから、窓と窓との間に描かれたアイコンは、うさぎ、山、小鮒、川、と並んでいる。もちろん、「うさぎ追いしかの山、小鮒釣りしかの川」という「故郷」の歌詞をイメージしたものだ。さらに、歌詞の2番にでてくる父母、友がき、雨、風というアイコンが続く(参考、歌詞2番「いかにいます父母、つつがなしや友がき、雨に風につけても、思いいづるふるさと」)
車両アイコンは、豪雪地帯を走ることもあって、「雪ん子」をイメージしたキャラクターと「おいこっと」の文字を組み合わせ、「いいかわ、いいそら、いいやません」というキャッチコピーも添えられている。
車両は、飯山線の列車に使われているキハ110系ディーゼルカー2両を改造した。といっても、大改造ではなく、元の車両の座席配置を踏襲した改装である。セミクロスシート(車内中央が向い合せのボックス席、ドア近くが窓を背にしたロングシート)の配置はそのままで、吊革もついた状態だ。これは、通勤通学用の普通列車としても使用することを想定しているからで、「おいこっと」運行開始までは、一般車両と連結した編成の普通列車としてすでに走りだしている
ロングシートは、一見すれば観光列車には似合わないような気もするが、ソファータイプの座席であること、観光列車として使う時はテーブル付きとなることから、飲食を楽しむには、他人と向いあうことがないので好む人もいるだろう。ブラインドを降ろすと、障子のようで和室にいる雰囲気となる。JRのチラシ説明の表記を借りれば、子供の頃、夏休みに遊びに行ったおばあちゃんの家のような、懐かしさ、楽しさを感じさせる「古民家」風のこころ落ち着く内装である。
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