原油安で2015年の航空業界はさらに明るい
株主優待が魅力的であるほか、原油価格の低迷が続けば、値上がり益も期待できる・・・
これは世界の航空会社に共通して言えることです。仮に経営の良くない、利益率の薄い航空会社であっても、それを大幅に補って前年比数倍増などの利益になる、というのが今の原油価格水準です。このまま行けば、航空業界に2015年は、第4四半期だけ原油安の恩恵を受けた2014年を大幅に上回る年になると思います。産油国から消費国への富の移転が最も顕著に表れる業界ではないでしょうか。反対に資源を取り扱う商社にとっては大ダメージとなります。
日本の航空会社の場合は、たとえば米国の航空会社よりも燃油費の占める割合が少ないうえ(=他の分野のコストが高い)、円安が燃油安の一部を相殺するので、米国の航空会社ほどの良い決算にはならないと思います。しかしそれでも、原油価格が現在の価格水準で留まるなら、ANAホールディングス(9202)と日本航空(9201)が大部分を占める空運業は、東証33業種の中でも非常に良い決算となる可能性は高いと思います。
ANAホールディングス<9202>の株主優待が狙い目!?
そこで注目したいのがANAホールディングス<9202>の株主優待です。日本航空<9201>よりも株主優待の利回りが良く、業績も好調です。【銘柄データ】 ANAホールディングス(東証1部<9202>)
予想配当+予想優待利回り:8.5%
【2015年2月6日株価】 317.5円
【株主優待獲得最低投資額】 1000株=31万7500円
【今期予想現金配当(1株あたり)】 4円
【株主優待権利確定月】3月末日、9月末日
【優待内容】詳細はYahoo!ファイナンスの株主優待情報をご覧ください
同社の株主優待は片道1区間搭乗時普通運賃の50%割引となる株主優待券ですが(1000株の場合は年間2枚)、ここでは、2015年2月末日の東京(羽田)~沖縄(那覇)の朝一の便のチケットで利用したことにして、前日までの予約による料金(特割)との差額を1万1500円として計算しています(つまり株主優待は1万1500円×2枚=2万3000円として評価し、利回り計算しています。もちろん、利用する路線や時期、時間帯によって評価は違ってきます)。
配当利回り的に見ても良いですし、株主優待の使い勝手も良いと思います。そして前述の通り、今期は業績が上向きになることが予想されるところで、株主優待をゲット出来た上、上手くすると値上がり益も狙えるという点で注目できると思うのです。
なお、2015年1月30日(金)に米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数が急減したとのニュースから原油価格が大幅反発となりました。その後も堅調に推移し、40ドル台半ばだった原油価格は2月7日(金)時点で50ドル台前半まで上昇しています。その影響からANAホールディングス<9202>の株価も調整気味になっています。
しかし、米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は、急減したとはいっても長期的に見れば依然として高水準であり、今のところ原油安という長期的なトレンドには変化はないものと思います。ごく短期には原油価格の反発が続き、ANAホールディングス<9202>の株価調整が進む可能性もありますが、その下がったところは逆にチャンスと思いますが、どうでしょうか?
参考:日本株通信
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