ステップ2.セカンドライフの収入額を計算しよう
次に、セカンドライフの収入額を計算します。セカンドライフの収入は、「公的年金」「私的年金」「退職金」「その他の収入」の4つに分けて考えましょう。「公的年金」の受取見込額は、誕生月に届く年金定期便で確認できます。現在50歳以上の人であれば、「今加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けた場合の受取見込額」が表示されています。
50歳未満の人の場合は、これまでの加入実績を基にした年金額しか表示されていません。しかし、ねんきん定期便に記載されている17桁のアクセスキーを使って「ねんきんネット」に登録することで、サイト上で受取見込額をかんたんに試算することができます(アクセスキーの有効期限が切れている人は、サイトの案内に従ってユーザIDの発行申込みをおこなうことで登録できます)。
ご参考のために公的年金受取額の一例をあげると、夫が40年間平均的賃金の会社員、妻が40年間専業主婦のケースで、夫が15.4万円、妻が6.4万円となっています(厚生労働省発表の2014年度の標準的な年金給付水準)。
次は「私的年金」です。勤務先で企業年金に加入している、もしくは個人で個人年金保険に加入しているという場合は、一定期間もしくは一生涯にわたって毎年受け取れる年金があります。受取金額や受取期間がわからない場合は勤務先や保険会社に確認して把握しておきましょう。
「退職金」を受け取れる人も、だいたいの給付額を勤務先に確認を。ちなみに退職金制度がある企業における定年退職時の平均給付額は、大卒で1,949万円、高卒で1,128~1,673万円。勤続年数が短いと給付額も下がり、勤続25年未満の場合は大卒で826万円、433~505万円となっています(平成25年就労条件総合調査結果)。
退職後も一定期間は働くなど、上記3つ以外の収入がある場合は「その他の収入」に入れて計算します。
なお、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金保険の被保険者として働く場合、年金が減額または支給停止となる場合があります(在職老齢年金)。給与・賞与を合わせた月額収入と年金の基本月額を合計が28万円以下であれば減額なく全額が支給されますが、28万円を超える場合は減額の対象となりますのでご留意ください(くわしくはこちらの「在職老齢年金の計算方法」をご確認ください)。
「公的年金」「私的年金」「退職金」「その他の収入」が出そろったら、これらを足し合わせてセカンドライフの収入額を出しましょう。
ステップ3.退職までに準備すべき金額を把握しよう
ステップ1.2の結果をもとに、「退職までに準備すべき金額」を出します。「セカンドライフの支出額」から「セカンドライフの収入額」を差し引いて、なお残る金額があれば、それが今から準備すべき金額です。退職までの貯蓄目標が見えたら、早速貯蓄プラン作りをはじめてみてください。必要に応じて家計の見直しや、細く長く収入を得ていく働き方の検討も必要かもしれません。資産運用プランにつきましては、「資産運用を始める前の3つのステップ」をご参照ください。
「すでに今ある貯蓄で準備できている」もしくは「支出額より収入額のほうが上まわった」という人は、安心して老後を迎えられそうですね。ただしそこで終わらずに、「年金の受取開始が68歳や70歳になったら?」「思うように働けなくなったら?」など予想される厳しいケースも検証していって、セカンドライフの安心度をより高めていってください。
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