ハーレーダビッドソン/ハーレーダビッドソンの車種情報

ハーレーダビッドソン ミュージアムをめぐる(3ページ目)

110年以上の歴史を持つハーレーダビッドソン。その伝統を語り継ぐべく、創業から今日に至るまで居を構えるアメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーに、ハーレーミュージアムが誕生しました。現地を見てきたガイドレポートをお届けします。

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

ハーレーを華やかに彩ったシネマシーンとともに

『イージー・ライダー』、『ターミネーター2』など、ハーレーはアメリカのシネマシーンを彩りました。

『イージー・ライダー』、『ターミネーター2』など、ハーレーはアメリカのシネマシーンを彩りました。


ハーレーダビッドソンの存在を世界中の人々の心に刻み付けたもの、それがモーターサイクルムービーの金字塔とも言われる『イージー・ライダー』でした。1969年に封切りされたこの作品は、ベトナム戦争の真っ最中だったアメリカにおいて「自由とは何なのか」という若者の疑問に投げかけられたひとつの答えで、アメリカのみならず、日本人の心にも深く深く突き刺さりました。私自身はこの映画をリアルタイムで観た年代ではありませんが、「『イージー・ライダー』に憧れて」と口にされる年配のハーレーオーナーに出会うたび、その影響力の大きさを実感させられる次第です。

そんな『イージー・ライダー』で登場したキャプテンアメリカ号、そしてビリー号が、ここハーレーダビッドソン ミュージアム一階にて誇らしげに展示されています。そのほか、『ハーレーダビッドソン・マルボロマン』や『ターミネーター2』など、馴染みある有名ムービーに登場したハーレーやゆかりのグッズが展示されているのもこのコーナー。ハーレーを深く知らなくとも、ここなら親近感とともに楽しく過ごせることでしょう。

最新のハーレーダビッドソンがどのように作られているのか、その最先端技術の一端を垣間みることができます。

最新のハーレーダビッドソンがどのように作られているのか、その最先端技術の一端を垣間みることができます。


こちらは最新のハーレーダビッドソンに関するコーナー。最新エンジン『ツインクールド・ツインカム103エンジン』が搭載されたニュー・ウルトラが鎮座するほか、現代のハーレーダビッドソンがどのようにして作られているのか、その最新技術の一端を見ることもできるのです。


忘れてはならない、日本の歴史も

私たち日本人が忘れてはならない3.11東日本大震災が生んだ“絆”とも言える一台。

私たち日本人が忘れてはならない3.11東日本大震災が生んだ“絆”とも言える一台。


そして、私たちにとっても深い縁を感じさせる一台がクリアケース内に展示されています。ニュースでも大々的に報じられたので、覚えている方もいらっしゃるでしょう、2011年3月11日に起こった東日本大震災にて、コンテナごと北米大陸に漂着した宮城県に住む(当時)日本人オーナーのハーレーダビッドソンです。車種はFXSTB ナイトトレインというソフテイルファミリーのモデルで、当初カンパニーがすべて修理(または新品のものに交換)して届けるつもりだったのが、オーナーが断ったため、ここに展示されることになりました。

はるか5000キロ以上も太平洋を漂流し、カナダに流れ着いた奇跡の一台。オートバイとしての原型を崩さなかったところに、ハーレーの頑丈さが垣間見えるよう。

はるか5000キロ以上も太平洋を漂流し、カナダに流れ着いた奇跡の一台。オートバイとしての原型を崩さなかったところに、ハーレーの頑丈さが垣間見えるよう。


5000キロ以上も離れた太平洋の向こう側までたどり着いた“奇跡の一台”の前には、なんとも言えぬ表情の来場者が大勢集います。このコーナーの前に来ると、あの日の出来事やテレビで流れる東北の惨状がまざまざと浮かび上がってくるよう。その中心にいたであろうハーレーがこうしてミルウォーキーのミュージアムに展示されているという事実に、何かの縁を感じずにはいられません。

初のカフェレーサーモデル XLCR(左上)やグンを抜いた人気を誇る”ヨンパチ”1948年式パンヘッド(右上)、初代ローライダー(右下)など、珠玉のモデルがずらり勢揃い。

初のカフェレーサーモデル XLCR(左上)やグンを抜いた人気を誇る”ヨンパチ”1948年式パンヘッド(右上)、初代ローライダー(右下)など、珠玉のモデルがずらり勢揃い。


カフェレーサーモデル XLCRや初代ローライダー、1948年式パンヘッド(通称“ヨンパチ”)ほか、熱烈なハーレーファンなら眺めているだけで気持ちが昂ってくるような伝説のモデルが所狭しと並べられているのです。ひとつひとつを説明していたらとてもじゃないけど終わらないので、今回はここまで。

大きなイベントはもちろん、週末や大型連休にもこうしてアメリカのハーレー乗りが自慢のバイクでやってくるのです。

大きなイベントはもちろん、週末や大型連休にもこうしてアメリカのハーレー乗りが自慢のバイクでやってくるのです。


ハーレーオーナーなら一度は足を運びたい“愛車の故郷”、ミルウォーキー。ハーレーに乗った者だからこそ分かる感動が、ここにはあります。そしてここから、ハーレーダビッドソンの新しい100年が刻まれていくのです。



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