気軽に街中で乗れるモタードバイク CRF250M
開発のキーワードに「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ、ちょうどいい相棒」が掲げられ、トータルバランスと操舵安定性を徹底的にこだわったというホンダ CRF250Mはまさに通勤試乗レポートを連載している私にとっては、ピッタリと車両といえます。バイクのジャンルの中に「モタード」というカテゴリが存在します。CRF250Mはまさにモタードバイクですが、そもそもモタードバイクとはどんなジャンルのバイクなのかというと、中排気量クラスで、主に125cc~400ccクラスの排気量のオフロードバイクをベースに前後のタイヤをオンロードに変更し、タイヤのインチ数を落とし、足回りのセッティングを変更したバイクの事を言います。
オフロードバイクをベースに変更していますので、CRF250Mにもベース車両があります。前タイヤが21インチ、後ろのタイヤが18インチのオフロード用タイヤを装着し、ブレーキや足回りのセッティングを変更したCRF250Lがベースになった車両で、CRF250M、CRF250Lのどちらも現行のラインナップに名を連ねています。
ちなみに、もちろんCRF250Lがベース車両ですので、市販されたのもCRF250Lが2012年4月と早く、次いで翌年の2013年4月にCRF250Mが発売されました。
CRF250Lは別の機会に試乗レポートをお届けしますが、まずはCRF250Lをベースにモタードバイク化したCRF250Mを一週間通勤で使用してレポートをお届けします。
モタードバイクらしいフレキシブルさを感じる車体設計
モタードとは、そもそもバイクのレースの一つの事を言います。舗装された路面と未舗装の路面の両方を走行するレースです。未舗装路を激しくドリフト走行する様は迫力があり、格闘技のようだと表現する人もいらっしゃいます。
このような路面を走行する前提の為、車体は軽く扱いやすくなければならず、搭載されるエンジンは単気筒、もしくは2気筒エンジンが搭載されることがほとんどです。CRF250Mも単気筒エンジンを搭載し、車体は軽く、シート高は855mmと高めの設定ですが、細身のシートと車体の軽さもあり、身長165センチの私でも不安に感じることはほとんどありませんでした。
前後のサスペンションとフロントブレーキもCRF250Lのそれとは違い、変更が加えられていますが、やはりストローク量が大きい前後サスペンションは乗り心地が良く、加速時にしっかりと沈み込むため、しっかりと路面をつかんで走っているような感覚があります。
加えて車両重量は145kgしかない為、取りまわしはとても楽で、仮に車体を倒してしまったとしても、起こすのは苦労しないでしょう。
また、燃料タンク容量は7.7リッターしかありませんが、特に意識しないで走行しても燃費は30km/L程度は走行することが可能でしたので、片道25km前後の通勤路ですが、一週間通勤で使用して1回しか給油しませんでした。