今年の秋のデザイナーズウィーク(2014年10月最終週~11月初旬)は天候にも恵まれ、各地で開催されたデザインイベントはどこの会場も賑わっていました。*関連記事「エリア別、秋のデザインイベントの楽しみ方 2014年度版」 

視点の変換による〈普段意識しない景色の再発見〉や〈その国らしさ、良さの再認識〉や〈モノの選び方の新しい視点〉を与えてくれたものが数多くあった今年の展示会。その中から、3つほど印象的だったものをレポートしながら、今後の生活に役立てられるような視点をご紹介します。

普段の風景を鮮やかに切り取って見せた〈Any Tokyo〉

東京タワーの足下にある増上寺・光摂殿を会場とした〈Any Tokyo 2014〉。その入り口にある黒門の軸組はネオンカラーにフレーミングされ、イベント会場までの道のりをワクワクさせてくれる演出に成功していました。関係のない用事でこの門をくぐった人も多いのではないでしょうか。

蛍光グリーンをメインカラーに選んだ理由として、人間が作り出すものへの尊敬の念はもちろんのこと、自然への尊敬も込めてその象徴としてグリーンを。年に一度のイベントであることのインパクト、非日常などの要素を蛍光色で表わそうという意図があるそうです。
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2014年のメインカラーのフレームで鮮やかに囲われた黒門は、サインとしても印象的で優れていた。Photo by ASAKI KOSHIKAWA

夜のライトアップされた会場は全く異なる雰囲気で、アプローチに立ち並ぶネオンカラーに巻かれた柱は、まるで伏見稲荷の鳥居をくぐるような不思議な光景を作り出していました。
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会社帰りのデートに寄ってもいい立地。誰でも無料で入れるのも〈Any Tokyo〉の魅力のひとつ。Photo by ASAKI KOSHIKAWA


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非常に鮮やかな東京タワーと同じようなカラーリングのお地蔵様。異質なネオングリーンが入る事で、日常風景を「発見する」

週末の昼に訪れた増上寺境内では、別イベントが開催されカラフルなテントが立ち並んでいました。明快なサイン計画で迷う事無くイベント会場まで着く事ができたのは、非常に好印象でした。“見慣れた風景”の所々にネオンカラーの看板がちりばめられていることで、普段は意識しなかった風景の中の色が浮き出てくるように感じました。



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サイン計画が非常に分りやすく、公共デザインのサイン関係にも応用できそうでした。

明らかに〈Any Tokyo〉目当てに足早に歩いて来た海外の方が写真を撮り続けていた場所からは、「東京らしい」異なる世界が共存するユニークな景色が立体的に見えたのも印象的でした。
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階段下と階段上で全く趣の異なるイベントが行われ、鉄骨のタワーと木造の寺社建築とネオンカラーが一つのフレームに収まっていた。