25年ぶりの新車「アレグラ」デビュー
箱根登山鉄道の新型車両3000形「アレグラ」。姉妹提携鉄道であるスイスのレーティッシュ鉄道沿線で話される少数言語ロマンシュ語のあいさつ言葉にちなんだ命名である。スイスの新しい登山鉄道のパノラマ車両を思わせる斬新な車体と車内は、早くも箱根を訪れる行楽客の注目を集めている。
「アレグラ」は、2014年11月1日より2両がデビュー。普段は、他形式の在来車両2両と連結され、3両編成の列車として箱根湯本~強羅を往復している。途中3か所でスイッチバックにより進行方向が変わるので、箱根湯本で先頭だった「アレグラ」は終点では最後尾車両となる。したがって、箱根湯本と強羅の両始発駅をスタートするときは、どちらも先頭が「アレグラ」車両である。
アレグラの運行予定は、箱根登山鉄道の公式サイトで分かる。
窓が大きく明るい「アレグラ」の車内
「アレグラ」の車内中央部は4人向い合せのボックス席である。シートピッチが広く取られているので、他社の近郊型車両に比べると圧迫感がなく、ゆったり座れるのがよい。テーブルには掘り込み式カップホルダーが4か所もあるので、全員が仲良くペットボトルや缶飲料さらには軽食なども一緒に置いてくつろげる。また、木目調の窓枠も、ちょっとしたものが置けるスペースがあり使い勝手がよい。
ボックス席は、満席になっても24人分(ほかに優先席2人分、折り畳み式座席10人分)と数が限られる。しかし、見晴らしの良い運転台の前面窓からかぶりつきで展望を楽しみたい人もかなりいて立席でも満足できるだろう。始発駅から終点まで立ったままでも約40分だから、移りゆく車窓に見とれていればあっという間である。2両目との連結部分近くにある展望スペースには、窓に向いた腰かけ付き手すりがあり、カップルが仲良く並んで車窓を見ることも可能だ。