カスタムハーレーの世界はどこまでも潜っていける
ハーレーダビッドソンをより深く楽しむためのコンテンツ、カスタム。端的に言えば改造ですが、アメリカ人によるアメリカ人のためのオートバイを自分のスタイルに合わせて乗りやすくすることもカスタムのひとつです。そして、ノーマル以上のカッコいい一台にフルカスタムする楽しみがあるのもハーレーの魅力。日本全国に点在するハーレーダビッドソン正規ディーラーおよびカスタムショップが手がけた珠玉の一台をご紹介していきましょう。アメリカの最先端を走るクラブ系カスタム
[01] 2009 FXD / SHIUN CRAFT WORKS神戸のシウン クラフトワークスが手がけたこのカスタムダイナ、テーマは“クラブ系スタイル”です。アメリカのMC(モーターサイクルクラブ)で今流行のスタイルで、さらに強化されたスポーティな足まわりを持つダイナ系モデルをベースに、ビキニカウルとハイライザー&ドラッグバーという攻撃的な組み合わせとする異端型ストリートドラッガー。MCと言われてもピンと来ないかもしれませんが、日本の暴走族とは似て非なる“アメリカ版 本物の不良チーム”と解釈していいでしょう。
ビルダー松村友章さん曰く、「アメリカだと、フリーウェイで数百キロぐらいかっ飛ばして走って楽しむイメージやね。日本でたとえたら、関西から名古屋まできしめん食べに行く感じかな」とのこと。そのぐらいの距離だとラゲッジ(箱)やサドルバッグが必要に思えるでしょうが、そこはやはりアメリカ、「不良は荷物を持たへんからね」(松村さん)だそう。
映画『ブラックレイン』に登場したハーレーのマッドマスクカウルはこのモデルの表情を決定づけ、独特のポジションを生み出すコックピットにエグりを入れたフューエルタンクの風合い、そしてサウンドパフォーマンスも申し分ない2in1マフラーなど、そのディテールは見どころ満載。日本ではなかなか見かけないスタイルなので、アメリカンアウトローなイメージを求める人にぴったり!
[手がけたショップ]
SHIUN CRAFT WORKS (兵庫県神戸市)
フォーティーエイトをよりスポーティに!
[02] 2013 XL1200X / ICHIKOKU CYCLE WORKS今なお高い人気を誇るモデル、スポーツスター XL1200X フォーティーエイト。そのカスタムルックなフォルムが若い人に支持される所以ですが、メーカー提案型のファクトリーカスタムモデルゆえか、ノーマルの状態からエッジのきいたカスタムを施す人は多くありません。そう、完成度が高い一台なので、中途半端に手を入れるとバランスを崩してしまうのです。
こちらのフォーティーエイトのオーナーは、ベースを同モデルとしつつ「もっと乗りやすくできないか」と、バランスよく走れる仕様へのカスタムを得意とする神奈川の一国サイクルワークスに相談しに行かれました。ノーマルのフォーティーエイトはスタイルこそカッコいいのですが、そのままの姿で乗ると操りづらさが顔を覗かせます。この一台は、基本的なスタイルは崩さずに乗りにくい部位を改善してあげたフォーティーエイト カスタムの好例とも言える仕上がり。
かなりロアマウントされたドラッグバーとバックステップという組み合わせから、ノーマルのそれ以上にアグレッシブなライディングポジションとされます。その変化に対応するため、ロングランにおける快適性に優れるK&H製ソロシートをチョイス。またフルチタンマフラーやJOKER製エアクリーナー(カバーは一国サイクルワークスのオリジナル)など美しいフォルムへの配慮も忘れていません。かなり軽快なライディングが楽しめる一台と言えますね。
[手がけたショップ]
一国サイクルワークス (神奈川県横浜市)
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