グランプリシリーズの楽しみかた
フィギュアスケートでは、五輪シーズンを4年目とした4シーズンを1つのまとまりとして考えることが多いため、今2014-15シーズンは、ピョンチャン五輪へのスタートのシーズンとも捉えられます。このシーズンでのスタートダッシュを戦略にしている選手たちもいるでしょう。
たとえば、2002-03シーズンのスケートアメリカのアイスダンス。ソルトレイクシティ五輪のあった前2001-02シーズンまではそれほど目立っていたわけではなかったエレーナ・グルシナ&ルスラン・ゴンチャロフ(ウクライナ)が、いきなり優勝したのです。当時はグランプリシリーズ3大会に出場できる選手たちもいたのですが、彼らは3大会に出場してすべてで優勝し、3シーズンかけてじっくりと順位を上げ、2006年トリノ五輪では銅メダリストになりました。
また、今はまだそれほど知られていない選手でも、4年後には世界トップになっている可能性もあります。
4シーズン前の2010-11シーズンの羽生結弦を振り返ってみましょう。2010年3月の世界ジュニア選手権のチャンピオンとして、彼はあのときジュニアからシニアにあがったばかりのシーズンを迎えていました。最初のロシア杯では7位、続くNHK杯では4位と、ジュニアからあがったばかりの男子選手としてはかなり素晴らしい成績を残していますが、それでもグランプリファイナルには届きません。それが3シーズン後には、グランプリファイナル、ソチ五輪、世界選手権の3大会で優勝を果たすのです。
1試合1試合が大切で白熱したものになることはもちろんですが、半年後の今シーズン最後の世界選手権や、3シーズン後のピョンチャン五輪でどの選手がどうなっているのか、といったことを想像しながら観戦するのも、フィギュアスケートのひとつの楽しみです。