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八ッ場ダム建設で新ルート誕生 JR吾妻線の旅(2ページ目)

群馬県を走るJR吾妻線は、八ッ場(やんば)ダム建設に伴い水没区間が生じることから、岩島~川原湯温泉~長野原草津口間(約10km)を付替え、2014年10月1日より新ルートでの運転を開始。途中にある川原湯温泉駅も移転となり、新駅として営業を始めた。さっそく新ルートを試乗したので、その他の吾妻線の見どころと共にレポートする。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

駅も温泉もリニューアルされた川原湯温泉

川原湯温泉駅コンコース

山中の温泉駅らしい新しい川原湯温泉駅コンコース

新しい川原湯温泉駅で途中下車。エレベータを上ったところにあるコンコースには、丸太のベンチが並んでいて洒落た雰囲気だ。移転した川原湯温泉街へは、幅が広く安全な歩道付きの道路トンネルをくぐって歩いて10分程。日帰り入浴のできる老舗の「王湯」も新しい建物となり、露天風呂でのんびり過ごせる。
王湯

伝統ある共同浴場「王湯」もリニューアルされた

川原湯温泉駅に戻って、普通列車で先へ進む。すぐに川原湯トンネル(1870m)へ突入し、一瞬、山の風景が見えたのもつかの間、横壁トンネル(1720m)が続き、やっと抜けて吾妻渓谷を見ながらコンクリート橋で再び吾妻川を渡ると、旧線跡と合流して長野原草津口に到着する。草津温泉への玄関口とあって、ほとんどの乗客は降りてしまう。それにしても新線の77%がトンネル。何だか新幹線のようにも思える。
長野原草津口

長野原草津口駅ホームからの眺め。右が新線、左が旧線

旧川原湯温泉駅

木造駅舎だった旧川原湯温泉駅


吾妻線の終点を目指す旅

大前駅の115系

行き止まりの終点大前駅で折り返す普通電車115系

吾妻線はさらに先まで延びていて、特急「草津」をはじめ、かなりの列車は万座・鹿沢口駅が終点である。但し、吾妻線の終点は、一つ先の大前駅。もっとも、大前まで行く列車は1日5往復しかないので、時刻表を調べて向かうのが賢明だ。下手をすると、数時間待ちぼうけをすることとなる。しかし、不便だからこそ大前駅を訪れる鉄道ファンは多く、駅前に立寄り湯もあるので、それなりの楽しみ方も可能である。
駅名標と双体道祖神

終着駅大前の駅名標と双体道祖神

吾妻線の新線付替えに先立ち、2014年3月のダイヤ改正から特急「草津」の車両が変更となった。かつて、常磐線の特急「スーパーひたち」を中心に活躍していた651系電車をマイナーチェンジしたうえで使用している。従来の185系に比べると、シートなどはグレードアップした感じで好評だ。特急車両もリニューアルされ、新ルートも完成し、イメージチェンジした吾妻線に乗って、温泉めぐりの旅に出かけてはいかがだろうか。
特急「草津」

リニューアルされた特急「草津」

<参考>
吾妻線一部付替え工事完了と新設線の運用開始について(JR東日本のリリース)

川原湯温泉協会のサイト

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