駅も温泉もリニューアルされた川原湯温泉
新しい川原湯温泉駅で途中下車。エレベータを上ったところにあるコンコースには、丸太のベンチが並んでいて洒落た雰囲気だ。移転した川原湯温泉街へは、幅が広く安全な歩道付きの道路トンネルをくぐって歩いて10分程。日帰り入浴のできる老舗の「王湯」も新しい建物となり、露天風呂でのんびり過ごせる。川原湯温泉駅に戻って、普通列車で先へ進む。すぐに川原湯トンネル(1870m)へ突入し、一瞬、山の風景が見えたのもつかの間、横壁トンネル(1720m)が続き、やっと抜けて吾妻渓谷を見ながらコンクリート橋で再び吾妻川を渡ると、旧線跡と合流して長野原草津口に到着する。草津温泉への玄関口とあって、ほとんどの乗客は降りてしまう。それにしても新線の77%がトンネル。何だか新幹線のようにも思える。
吾妻線の終点を目指す旅
吾妻線はさらに先まで延びていて、特急「草津」をはじめ、かなりの列車は万座・鹿沢口駅が終点である。但し、吾妻線の終点は、一つ先の大前駅。もっとも、大前まで行く列車は1日5往復しかないので、時刻表を調べて向かうのが賢明だ。下手をすると、数時間待ちぼうけをすることとなる。しかし、不便だからこそ大前駅を訪れる鉄道ファンは多く、駅前に立寄り湯もあるので、それなりの楽しみ方も可能である。吾妻線の新線付替えに先立ち、2014年3月のダイヤ改正から特急「草津」の車両が変更となった。かつて、常磐線の特急「スーパーひたち」を中心に活躍していた651系電車をマイナーチェンジしたうえで使用している。従来の185系に比べると、シートなどはグレードアップした感じで好評だ。特急車両もリニューアルされ、新ルートも完成し、イメージチェンジした吾妻線に乗って、温泉めぐりの旅に出かけてはいかがだろうか。
<参考>
吾妻線一部付替え工事完了と新設線の運用開始について(JR東日本のリリース)
川原湯温泉協会のサイト