復活を遂げた伝説の名車 ハーレー FXDL ローライダー
ハーレーダビッドソンの伝統を振り返ると、いわゆる名車と呼ばれる人気の高いモデルがいくつか存在します。2015年ニューモデルとして復活したFXDL ダイナ・ローライダーはそんな名車中の名車として知られる存在で、今回の発表でもっとも注目を集めたモデルと言えるでしょう。実は本場アメリカ以上にローライダー人気が根強いのがこの日本で、本国では早々にラインナップから姿を消していたにもかかわらず、日本では一昨年前までモデルカタログに残っていたほど。今回の復活は、日本のハーレーファンにとってまさしく“待ちわびた朗報”だったのです。カテゴリーはダイナファミリー。スポーツ走行性能を有したビッグツインモデルをベースとし、モーターサイクルのベストスタイルとされるロー&ロングの美しいフォルムを持つローライダー。このモデルが世に登場したのは1977年、今でこそベーシックな一台として見られていますが、ショベルヘッドエンジンを積んだ当時は今で言うところのファクトリーカスタムモデルとしての扱いでした。1970年代におけるスポーツ性能とビッグツインの組み合わせというのは、実に斬新なアイディアだったわけです。
アメリカでは今年3月にリバイバルされており、同月日本で開催されたモーターサイクルショーで上陸を果たすかに思われたのですが、残念ながら見送られることに。待ちに待った今回の日本上陸、アメリカ・ハーレーダビッドソン モーターカンパニーのウェブサイトでその姿を見ていたファンは、「はたしてどこまで同じ仕様で日本にやってくるのか」が注目の的ではありました。
伝統の姿そのままに……
2007年、フレームやフロントフォークの剛性アップなど、大きく構造変更を行ったダイナモデル。その影響を受け、デザインそのものも変わった2007~2013年ラインナップのローライダーは、一部で不評でした。オートバイとしての性能は高いものの、同モデルの代名詞とも言えるヘッドライトバイザーがなくなり、スタイリッシュなフロントビューがゴツくなりすぎて「ローライダーらしさがない」との評価を受けていたのです。もっとも美しいとされる1970年代のローライダーの姿を再現したと思われる本国サイトの写真から、実物がどれほどのものなのか日本のファンのあいだでは期待と不安を持って迎え入れられようとしていました。太くなったフレームやフロントフォークが変わることはありませんが、実際の2015年版ローライダーは、往年の名車をリスペクトした見事な再現っぷりだったと言えます。私自身も若干懐疑的な目で見ていたフシがあったのですが、目にした実物はお見事というほかありませんでした。もちろん、オリジナルの1977 ローライダーにはおよばないですが、それは比較すること自体がナンセンス。このローライダーは、現代の道路事情や交通事情に合わせて進化したハーレーダビッドソン モーターサイクルを基礎としており、そこに往年のビジュアルを可能な限り取り入れたわけですから、現代版ローライダーとして見れば、文句のつけようがない一台だと言えるでしょう。
多くのファンが待ちわびた2015年版ローライダーの日本上陸、はたしてその乗り心地は? ひと足先に発表会にお邪魔し、実際に試乗してきましたので、その感想を次ページにて!