メインディッシュと車窓風景
メインディッシュは、花巻の農場産ホロホロ鳥と古代米のロール、黒にんにくのソース、じゃがいもと酪農牛乳のドフイノワーズなどだった。ランチとしては極上の贅沢なメニューだ。しかも窓からは雄大な海の情景が流れていくとあって、海辺のレストランで食事をするのとはまた違った雰囲気である。小さな駅を通過。駅名標には種市とある。2013年に人気を博したNHK朝ドラ「あまちゃん」に登場した種市先輩はこの地名に由来する。また主人公のアキが通った高校のモデルは、この近くにある種市高校だ。
メインディッシュが終り、デザートが運ばれてくる頃、海岸では大漁旗を振って乗客を歓迎してくれる演出があった。車内からもほぼ全員が手を振り、和やかなひとときが過ぎていく。
デザートのあとの余韻は時間切れ?
ランチはいよいよ締めのデザート。模様の描かれた白い箱を開けると、プチフールと呼ばれる一口サイズのお菓子が何種類も入っている。タルトやメレンゲなどで、地元産のカボチャも使われていた。コーヒーあるいは紅茶を飲みながら、いつまでものんびりと過ごしたいところだったが、終点久慈到着が迫ってきた。最後は意外に慌ただしく過ぎてしまったのが少々心残りである。「あまちゃん」の故郷は今なお人気スポット
久慈に到着すると、やはり大漁旗を振った地元の男性や歓迎の横断幕を掲げた若い女性が出迎えてくれた。NHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台北三陸駅は久慈駅のことである。まだまだドラマの余韻は残っていて、駅前のビルの看板、それに「あまちゃん」展示館など、注目する人は多い。また、ドラマに登場した「北鉄」のモデルである三陸鉄道北リアス線は、ここ久慈が始発駅。震災復興のシンボルでもあり、観光客の乗車が増えているのは嬉しいことである。私が参加したツアーは、久慈で小休止のあと三陸鉄道で南下、宮古へ向かう。「TOHOKU EMOTION」は折返し、八戸へ戻っていった。
<参考>
TOHOKU EMOTION公式サイト