「TOHOKU EMOTION」のランチタイム
八戸を定時に出発。青森方面へ向う青い森鉄道(旧・東北本線)と分かれ、東へ向う。貨物専用の八戸臨海鉄道としばらく並走。貨物線が離れていき、八戸市街地の中心である本八戸を通過する。車内では女性アテンダントが挨拶がてらウエルカムドリンクのサービスで各テーブルをまわる。テーブルの上はオリジナルなテーブルクロスが敷かれている。テーブルの引き出しにはフォークやナイフが入っている。限られたスペースをうまく工夫してある。陸奥湊で対向列車とすれ違う。この後、終点まで列車とのすれ違いはない。八戸市街地の鮫(さめ)より先は列車本数が極めて少ないのである。
太平洋を眺めながらの食事
前菜が運ばれてきて食事が始まる頃、車窓左手にはウミネコの繁殖地として有名な蕪島(かぶしま)が見えてくる。島とは言うものの、半世紀以上前に埋め立てられて本土と陸続きになり、神社まである。やがて岬を半周すると太平洋岸に出て、あとはほぼ南東に進むのである。メニューは季節によって異なるが、この日は、ブロッコリーのムース、帆立貝柱、八戸産長芋、三陸若布とタコのコンフィ、八幡平サーモンとわらび、というように地元を中心とした食材が使われていた。震災復興を観光面から支援するというコンセプトから、特に意識してメニューをつくっているという。
列車は景勝地である種差海岸を走っている。とくに絶景ポイントでは、意図的に減速し、乗客を楽しませることを忘れない。美味しい御馳走をいただき、かつ車窓に夢中になって写真を撮っていると忙しくてたまらない(笑)。