住宅メーカー・依頼先選び/住宅メーカー・依頼先選びのポイント

施工現場は、ハウスメーカーの性格を映す「鏡」

今回は施工現場についてのお話です。「事件は会議室で起こっているんじゃない! 現場で起こっているんだ!!」じゃないですが、施工現場って大変重要。ハウスメーカーのチェックポイントも数多く隠されています。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

街を歩いていると時々、住宅の施工現場に出くわすことがあります。そんな時、私はその周りを少し見て回るようにしています。なぜなら、そうすることでそこを施工するハウスメーカーや工務店の家づくりに関する考え方や姿勢がよくわかるから。そこで、今回は現場を見ることで判断できるポイントについてご紹介したいと思います。

養生シートと足場の役割とは

皆さんは、施工現場が大きな布にくるまれ、中が見えづらくなっていることをご存じだと思います。別に隠しているわけではありません。布のことを「養生シート」といい、その中で建物を囲むように足場が組まれているのが一般的です。

ダメな施工現場の事例。これは建売住宅の現場だが、養生シートがきちんと張られていない。部資材の整理整頓や端材、廃棄物の管理もずさん。部資 材に一部は水たまりに浸かっていた

ダメな施工現場の事例。これは建売住宅の現場だが、養生シートがきちんと張られていない。部資材の整理整頓や端材、廃棄物の管理もずさん。部資材の一部は水たまりに浸かっていた(クリックすると拡大します)

養生シートというのは、施工作業で発生するホコリやチリが周りに飛び散らないようにする、衛生上の狙いから使われるもの。そして、足場を含めて作業する職人さんの安全を確保するために、非常に重要なのです。

住宅の施工現場は高所作業になりますから、安全を確保することは不可欠。施工中にケガならまだしも、死亡事故があったりしたらシャレになりませんよね。これから長く住まい続けるのに、縁起でもありません。危険な現場は、施主にも不幸を招くのです。


大切な現場の職人さんの安全確保

私が見て回るのは、しっかりと足場が組まれていて、しかも養生シートできちんと覆われているか、チェックするためです。今は住宅価格が下がり気味ですから、そのため施工費用を浮かせるために、現場の安全確保をないがしろにしている業者も少なくありません。

一見、正面からみると養生シートの張り方や足場の組み方がしっかりしているようでも、裏に回ってみると不十分だったりする現場も。こういう場合、職人さんたちが事故を起こして大事になるケースもあるのです。
良い施工現場の事例。養生シートがきれいに張られ、部資材や廃棄物もきれいに管理されている。写真は大和ハウスの現場だが、大手のハウスメーカーでは概ねこのような状態だ(クリックすると拡大します)

良い施工現場の事例。養生シートがきれいに張られ、部資材や廃棄物もきれいに管理されている。写真は大和ハウスの現場だが、大手のハウスメーカーでは概ねこのような状態だ(クリックすると拡大します)

ちなみに、養生シートはハウスメーカーなどが自分で用意するものなのですが、足場というのは専門業者がいて、ハウスメーカーなどはそこからレンタルするのが一般的。結構な費用がかかるものなのです。

つまり、逆に養生シートと足場がしっかりしている現場なら、施工するハウスメーカーや工務店に一定の信頼感があると判断できるのです。現場からわかることはまだまだあります。次のページでご紹介しましょう。
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