カリーヌ・スタイル「コートドレッシング」
ジャケットやコートなど、マスキュリンなアウターの着こなしも勉強になります。ファッションウィーク中に見かけた「コートドレッシング」と呼びたくなるような、コートを主役にした装いは、カリーヌ流の真骨頂。ウエスト部分をきゅっと結んできりりと仕上げます。足元のブーツは、膝上まであるタイプで、足全体をブーツでまとめています。ココ・シャネルも憎んだ膝小僧は大人女性の大敵。中途半端に膝だけが出てしまうロングブーツで合わせるのではなく、いっそ全く見せないほうが、かえって大人っぽいムードになるのが分かります。こちらは、ブーティ風のピンヒールで、膝下から露出しています。大人女性ならではの膝下からの露出が美脚イメージを呼び込んでいます。18歳でモデルとしてキャリアをスタートさせたカリーヌは、その着こなしとセンスにも独自のスタンスを持っています。トム・フォードは「理想の女性像」とあがめ、カール・ラガーフェルドは「ミューズ」とリスペクトを捧げました。
映画は今なおビジネスのフロントロウに身を置く彼女が、私生活と編集長業のバランスを取りながらファッション表現者として気負いすぎず仕事に取り組む姿勢を描き、その人柄やビジネス態度に多くの人々が魅せられる理由を解き明かしていきます。仕事に打ち込みながらも、あたたかい家庭や人との縁を大事にするカリーヌだからこそ、殺気立つNYコレクション会場でもあんなチャーミングな笑顔を向けてくれるのだとあらためて納得できました。
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