ソファ・ソファベッド/ソファ・ソファベッドの選び方

ソファーの上手な選び方ー構造から見たデザイン(3ページ目)

ソファーの購入をご検討される際に、重要なことはどんなものがあるでしょうか?デザイン、サイズ、素材感、値段、座り心地等、様々な要素がありますよね。いいソファーは世代を超えて受け継ぐ事が可能です。その様なアイテムを選ぶには、人体で言うならば“骨格”にあたる、ソファーの“構造体”を知っておくと便利です。ちょっぴりマニアックな内容を、ロングセラーのソファーをご紹介がてらお話します。

土橋 陽子

執筆者:土橋 陽子

家具・インテリアコーディネートガイド

www.idee.co.jp

イデー提供 Photograph(portrait)/ KANNO,jun

マーク・ニューソンは、2006年にサザビーのオークションで、自身のデザインした“ロッキードラウンジ”が約968,000ドル(約1億円)で落札され、歴史上最も高価な家具となったことで話題になったデザイナーです。1986に初めのプロトタイプを自らリベット留めして製作しました。

来日して間もない無名の若手デザイナーだった彼は、イデーのファウンダー・黒崎氏と意気投合して商品開発を始めます。右の写真でマーク自身が座っているロッキードラウンジは、1987~1988年イデーから数脚が販売されました。当時の価格は180万円程度だったとのこと。

マーク・ニューソンは、自らの手でプロトタイプ制作しながら新しいデザインを発表していきます。現在でも定番商品としてイデーで販売されているエンブリオチェアは彼の代表作品です。“エンブリオ”とは「胎児」を意味する言葉で、抱きかかえるように座ると不思議と落ち着く形状をしています。
http://www.idee-online.com

エンブリオ チェア 1988/イデー



「自由な曲線で出来た形」と表現される事の多いマークのデザインですが、確かな意思をもって彼自身の手で作り出された形状は、独特の勢いがあります。手作りのFRP(ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料。彫刻のように自由な形をつくって、手作業で複雑な形を写し取れるのが特徴)の型を元にモールドウレタン成形で作る事で、デザイナーの息づかいを感じられるプロダクトに仕上げっています。

出身地のオーストラリアのサーフィン文化からFRPという素材が身近にあった事や、カバーに使われているのがウェットスーツの素材であることも、必然的で且つローカル感があり、面白いですよね。時代がデザイナーの描いた世界観に追いついたような、そのようなプロダクトを生み出していたイデーの今後が楽しみです。

座り心地がよく、耐久性も非常に高いモールドウレタン構造のソファーですが、長くご使用にされる間に使い方によっては破損してしまう可能性もあります。ご購入の際、ショップスタッフの方に、日頃のメンテナンス方法や修理の対応について、一言ご確認される事をおすすめ致します。


次ページではアイテムデータをまとめておきます。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます