ラグビー/ラグビーのルール・楽しみ方

7人制の世界大会がやってくる! 東京セブンズ(2ページ目)

3月22、23日の2日間、7人制ラグビーの世界大会である東京セブンズが、秩父宮ラグビー場で開催されます。この大会は世界トップクラスの強豪国によって争われる国際サーキットのひとつで、今回も多くのトッププレーヤーが出場します。ここでは7人制ラグビーの魅力や東京セブンズの見どころ、日本チームの注目ポイントなどを紹介します。

中竹 竜二

執筆者:中竹 竜二

ラグビーガイド


他競技から転向して世界的プレーヤーに

7人制ラグビーを取り巻く環境は、ここ数年で劇的に進歩しています。世界中で多くの国が強化に乗り出しており、ラグビー以外の競技からも選手をスカウトしてセブンズのスペシャリストとして育てるケースが増えていますし、そうした中から世界のトッププレーヤーになった選手もいます。そういう意味でセブンズは、アスリートの中のアスリートが揃う競技と言えるでしょう。

15人制のラグビーではほとんど名前を知られていないような国で、7人制に特化して強化を進め、成功を収めているケースもあります。その最たる例が、ケニアです。アフリカ人特有の身体能力の高さを生かしたプレーでいまや世界トップ国の仲間入りを果たし、HSBCセブンズワールドシリーズで上位に進出することも珍しくありません。

このほか、スペインやポルトガルなども、15人制より7人制での活躍が目立ちます。これもまた、アスリートとしての能力がモノを言うセブンズならではの特徴と言えます。

様々なチームカラーを、いくつも味わえる

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世界的な7人制の強豪国としてしられるフィジーのラグビーは「フィジアン・マジック」とも称される (c)2013 JRFU, photo by RJP H.Nagaoka

セブンズは15人制ラグビーに比べ大きなスペースがあるぶん、戦略のバリエーションが広がります。

たとえば7人制の伝統的強豪国であるフィジーは、「マジック」と称される変幻自在のラグビーを得意としています。パスをするのか、キックなのかわからず、想像もしなかったようなプレーが次々に飛び出すラグビーは魅力一杯で、世界中のファンから愛されています。

現在、15人制とともに7人制でも世界一の強国であるニュージーランドは、群を抜く運動量と的確な状況判断で巧みにスペースを攻略しながら試合を組み立てます。一方、サモアは15人制と同様に頑健なコンタクト力を前面に押し出した戦いを得意とし、ケニアは随一の身体能力を生かして圧倒するラグビーが持ち味です。

このように、それぞれの国のカラーを同時に楽しめるのも、7人制ラグビーのひとつの魅力です。ぜひこの楽しさを、会場で多くの人々に感じていただきたいと思います。

日本チームの見どころ、注目選手

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ホームの利を生かし上位進出を狙う日本代表。タフに戦い、走り勝つラグビーで観客をわかせたい photo by Kaori Matsumoto

東京セブンズには、開催国である日本も出場します。地元ですから当然地の利がありますし、2020年の東京五輪を見据え、多くの方に日本の7人制ラグビーをみていただける絶好のチャンスでもあります。ここで、日本チームの特長や注目ポイントについて紹介してみましょう。

今回の7人制日本代表には、15人制代表でもある福岡堅樹選手、藤田慶和選手という若い2人がメンバーに選ばれました。7人制は1人の選手がボールを持つ機会が圧倒的に増えるため、国内で屈指のスピードを誇る彼らの魅力を、より多く味わえることになります。見たい選手がボールを持つチャンスが増えるので、ワクワク感も高まるでしょう。

7人制代表のスペシャリストとして活躍している選手では、キャプテンの坂井克行選手がいます。彼のリーダーシップや精度の高いキック、腰が強く重心の低い走りに、ぜひ注目してほしいと思います。

日本は海外チームに比べ体格的に小さく、コンタクトスポーツであるラグビーでは不利とされています。しかし現在の日本代表は、15人制も7人制も、体格的劣勢を言い訳にせず、トレーニングによって体を鍛え上げ、体力を極限まで高めて対抗することを目指しています。

鍛えた体で、より多く動いて強豪国に立ち向かう日本チームの姿を、楽しみにしていてください。

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