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3・5ニュージーランド戦でザックジャパンが始動!

ブラジル・ワールドカップへ向けた日本代表の輪郭が、いよいよはっきりと浮かび上がってきた。3月5日に行なわれるニュージーランド戦のメンバー発表に、アルベルト・ザッケローニ監督の構想を読み取る。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

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W杯のメンバーはほぼ固まった

今回の発表で、ワールド杯のメンバーはほぼ決まったと言えそうだ。

今回の発表で、ワールド杯のメンバーはほぼ決まったと言えそうだ。

ザックことアルベルト・ザッケローニ監督(60歳)によるチーム作りは、最終局面を迎えている。2月27日に発表されたニュージーランド戦のメンバーに、初めて招集された選手はいない。「継続性」が重視された顔ぶれである。5月10日前後に発表予定のワールドカップ登録メンバーは、八割前後が固まっていると見ていい。

主力で外れたのはふたりだ。右サイドバックの内田篤人(25歳・シャルケ/ドイツ)と、キャプテンの長谷部誠(30歳・ニュルンベルク/ドイツ)である。どちらもケガによるもので、無理をさせないという判断だ。

彼らに代わってスタメンに名を連ねるのは誰か。

今回のメンバーには、サイドバックが4人選ばれている。駒野友一(32歳・ジュビロ磐田)、長友佑都(27歳・インテル・ミラノ/イタリア)、酒井宏樹(23歳・ハノーファー/ドイツ)、酒井高徳(22歳・シュツットガルト/ドイツ)だ。長友は左サイドを定位置とするので、右サイドバックは駒野、酒井宏、酒井高のいずれかになる。

3人のコンディションを比較すると、酒井高が有力だ。駒野はJリーグが始まったばかりで、酒井宏は所属クラブでスタメンから漏れている。シュツットガルトでレギュラーを確保する22歳が、右サイドバックに収まりそうだ。

長谷部に代わってダブルボランチの一角をになうのは、山口蛍(23歳・セレッソ大阪)が有力だ。

ボールを奪い取る力に長けた彼は、昨年11月のオランダ戦、ベルギー戦でスタメン出場し、代表チーム定着に大きく踏み出した。球際の激しさを持ち味とする細貝萌(27歳・ヘルタ・ベルリン/ドイツ)も招集されているが、遠藤保仁(34歳・ガンバ大阪)のパートナーはセレッソの新キャプテンになるだろう。


本田と香川にゴールを!

攻撃陣はふたりのエースに注目が集まる。

本田圭佑(27歳・ACミラン/イタリア)と香川真司(24歳・マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)だ。

1月からACミランでプレーする本田は、すでにポジションをつかんでいる。だが、リーグ戦でゴールをあげていない。

ミランでは本来のトップ下ではなく、右サイドで起用されている。初めてではない。前所属先のCSKAモスクワ(ロシア)でも経験している。

違うのは役割だ。CSKAではポジションチェンジが認められていたが、ミランではプレーエリアが限定されている。ピッチには立っているものの、どこか消化不良な雰囲気が漂う原因だ。

香川は難局に立たされている。

実戦から遠ざかっているのだ。リーグ戦出場は9試合出場にとどまり、欧州チャンピオンズリーグ、国内カップを含めていまだノーゴールなのである。

ニュージーランド戦で得点を決めたとしても、心が晴れることはないだろう。彼らが日常とするイタリアやイングランドのリーグに比べれば、むしろ物足りなさを感じる一戦である。局面における激しさや厳しさは、真剣勝負に劣る。

それでも、本来のプレーを呼び戻すきっかけにはなるはずだ。

数日でも日本に滞在することで、気分転換をはかることもできる。日本でのテストマッチは肉体的な負担が大きいものの、リフレッシュ効果が見込めるものなのだ。

「準備期間は短いが、そのなかでも代表のやり方を選手たちに復習してもらう、思いだしてもらうことが大切だ」とザックは話す。本田と香川にとっては、好調時のイメージを思い起こす機会でもあるのだ。


継続性の先に見えるもの

2013年最後のテストマッチとなったベルギー戦から約4か月が過ぎ、1トップのポジション争いは様相を変えている。昨年11月のオランダ戦で得点をあげた大迫勇也(23歳・1860ミュンヘン/ドイツ2部)が、海外組のひとりとして合流するのだ。

鹿島アントラーズから移籍した1860ミュンヘンでは、2月上旬のシーズン再開から先発を確保した。ここまで3試合連続スタメンを飾り、2ゴールをマークしている。シーズン中だけに、ゲーム勘の問題もない。スタメンか途中出場かはともかく、確実にチャンスは巡ってきそうだ。

大迫と先発を競うのは、セレッソ大阪の柿谷曜一朗(24歳)である。Jリーグは3月1日に開幕を迎えるが、セレッソはAFCチャンピオンズリーグを2月25日に消化した。トップコンディションでないとしても、臨戦態勢は整っている。

海外組と国内組でコンディションにばらつきがあり、対戦相手のニュージーランドも歯ごたえがあるとは言い難い。そのなかでノルマを提示すれば、「内容のある勝利をつかむ」ことになる。

具体的には香川と本田の躍動であり、柿谷と大迫のハイレベルな競争である。

「継続」の先に見えるものは「停滞感」でなく、「発展性」でなければならない。
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