株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

ペソ暴落で急落の南米の楽天メルカドリブレは買い?

アルゼンチンペソが急落し、アルゼンチンに本社のある南米の楽天メルカドリブレの株価を直撃しています。しかし業績は堅調なままであり、この急落をチャンスと見ることも出来ると思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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アルゼンチンペソに「泣きっペソ」をかかされる

新興国には突然のリスクが付きものです。1月23日にアルゼンチンが下落する自国通貨を買い支えられないことを発表すると、通貨ペソが一日で10%以上も急落しました。アルゼンチンやメキシコのペソに投資した人はその昔から「泣きっペソ」をかかされたと揶揄されるほど暴落の憂き目に何度もあってきました。それでも安くなれば再び中南米に投資する人は沸き上がってきます。見返りのリターンが他にないほど高いからです。
アルゼンチンペソの下落は今に始まったことでなく、長らく下がり続けている

アルゼンチンペソの下落は今に始まったことでなく、長らく下がり続けている

アルゼンチン・ペソの5年週足を見ると、同通貨の下落は今に始まったことでなく、長らく下がり続けているのが分かります。2013年初めは1ペソ=0.20ドルだったので、1ドル相当の商品に5ペソ支払えば良かったことになります。それが2013年末には6.50ペソ程度になり、2014年1月にアルゼンチン政府が買い支えせずに自由に変動させると発表すると通貨急落し、8ペソを要するようになりました。

元々高すぎるインフレと経常赤字、脆弱な外貨準備高を持つアルゼンチンペソは(介入によって)実力以上に高すぎたのです。そして化けの皮を剥がして市場に正確な価値をつけさせるとこうなったという事です。市場は自由ですから、下がりすぎれば買いも入り、落ち着く所で落ち着くと思います。しかし、この危機によってよりインフレが増し、同国が経済不況に陥る可能性が高くなってきました。ただでさえ中国、インド、ブラジル、ロシアのBRICS4ヶ国における景況感指数はマイナス成長域に突入しており、新興国経済は減速サイクルにあると言えます。

新興国にはアルゼンチンと似たような体質が多く、ブラジル通貨レアルも2年半ほど下がり続けています。南米周辺国だけに波及しているのでなく、ロシアルーブル、トルコリラ、南アランドなどの価値も年初から大きく下がっています。2013年は夏に同じような事がインドルピーやインドネシアルピーにも見られました。いずれも通貨の体質の弱いところですが、インドに関しては下がるだけ下がったあと、低位(それ以上に下がらず)で落ち着いています。自由にフロートさせて市場に任せれば落ち着くはずですが、アルゼンチンは長年介入によって無理に支えてきたのが暴落に繋がりました。より悪質なのがベネズエラの通貨ボリバルであり、未だ政治が無理をして支えています。しかし支えきれずに一部の必需品を除く製品の輸入に関しては通貨の切り下げとなっており、より混乱している模様です。

ペソ急落がメルカドリブロの株価に直撃

ペソ急落がメルカドリブロの株価に直撃

ペソ急落がメルカドリブロの株価に直撃

南米の楽天ともいうべき、メルカドリブロ(ナスダック上場、証券コード:MELI)は本社がアルゼンチンのブエノスアイレスにあります。米国に上場する同社は資産をドル建てで表示していますが、ペソの暴落によって同社バランスシートも萎縮したことになります。PBRというのは株価が簿価の何倍ついているかを表す指標ですが、もし以前と同じPBRで同社株が評価されれば、アルゼンチンペソの急落により縮小した簿価の分だけ米ドル建ての株価も下がらなくてはなりません。そして評価替えによって資産を安く見積もり直せば、その差額は(為替)損失として計上しなくてもなりません。さらに同社売上の半分はブラジルから来ています(その比率は年々下がり、他の中南米国への分散が進んでいますが)。アルゼンチンは第2位の売上先で約24%、そして第3位が15%のベネズエラとなります。それぞれの地域にオフィスも人員もおり、通貨下落の痛手を被ります。通貨安、高インフレで不況入りとなれば商売自体も鈍化すると見られます。

これらの事から、クレディスイス証券では同社株に対する目標価格を1月21日に122ドルから116ドルへ引き下げ、さらに1月27日には105ドルへと再下方修正しました。JPモルガン社も同様に112ドルから106ドルへと目標を引き下げ、メリルリンチ社においては135ドルから85ドルへと大幅な切り下げを行っています。そして同社株価はすでに90ドル台に下がりました。

>>では今後メルカドリブレはどうなる!?次のページで検証します
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