「震災学習列車」に乗る
盛駅を発車して、列車は北へ向うのではなく、一旦南東方向へと進む。リアス式海岸の険しい地形ゆえの迂回であろう。長いトンネルを抜け、最初の駅陸前赤崎の手前で停車。高架線の車窓からは、大船渡湾に面した地域が見渡せる。仮設住宅がぽつんとあるだけの何もない土地だが、係員が見せてくれた震災前の写真を見ると、建物がぎっしり並ぶ市街地だった。すべて津波で跡かたもなくなり、元に戻っていないと知ると胸が痛む。
カップルにも人気の「恋し浜駅」
次の駅は恋し浜。元々は小石浜と言ったのだが、地元のブランドホタテ「恋し浜」にちなんで改名。ホタテの貝殻が絵馬として使われ、ホームにある小さな待合室の中は、復興の応援、激励、あるいは恋愛成就の願いを書いた貝殻絵馬がぎっしり吊るされている。
しばらく停車して、その様子を見学することができた。最近では恋愛のパワースポットとしても口コミで評判となっているとのこと。駅名標の隣には「幸せの鐘」もあり、鳴らして愛を誓うカップルも多いと聞く。