クイックネスは世界一。そのスピード感をぜひグラウンドで!
南半球3か国(ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア)のスーパークラブによる最高峰リーグ「スーパーラグビー」や、イングランドの「プレミアシップ」、フランスの「トップ14」など、世界には様々なクラブラグビーのリーグ戦があります。それらと比較してトップリーグの特長を挙げるなら、「素早さ」です。ことクイックネスに関しては、世界一といっても過言ではないでしょう。サッカーやバレーボールなどでも、日本が世界と伍していく上では「俊敏性」が大きなポイントとなります。この点はラグビーも同じです。特に相手に対してプレッシャーをかけるディフェンスの速さと、ボールの動き方、テンポの早さは、どの国と比較しても日本が上回っています。
個別にチームを見ていくと、過去2シーズンでトップリーグ連覇を果たしたサントリーサンゴリアスは、特にボールを素早く、たくさん動かすチームです。リーグ随一ともいわれる豊富な運動量を武器に、最後まで果敢に攻め続ける攻撃的ラグビーが最大の特長です。
そのサントリーと昨シーズンのプレーオフトーナメント決勝を戦った東芝ブレイブブルーパスは、伝統的に強力なフィジカルを武器にしてきたチームです。ひたすら体をぶつけ続け、コンタクト局面で圧倒することで過去にいくつものタイトルをつかんできました。「痛いプレー」がウリで、相手にとってはイヤなチームといえるでしょう。
ラグビー偏差値の高い神戸製鋼、パナソニック。チャレンジングなクボタにも注目。
かつて日本選手権7連覇を遂げた神戸製鋼コベルコスティーラーズは、センターのジャック・フーリー選手を筆頭に、個々に能力の高い選手が多く揃っています。型にはまらず、ボールを持つ選手の的確な状況判断を重視し、他の選手がそれに反応していくことでプレーを組み立てていく。いわゆるラグビー偏差値の高いチームといえます。パナソニックワイルドナイツも経験豊富な選手が多く、ラグビー偏差値の高さを大きな武器としています。日本人で初のスーパーラグビープレーヤーとなったスクラムハーフの田中史朗選手、フッカーの堀江翔太選手らを軸に、個々の状況判断力を軸にゲームを作るチームです。
ファーストステージでサントリーを破ったNECグリーンロケッツは、近年世代交代を積極的に進めてきました。伝統のディフェンス力に加え、ボールを動かす力もついてきており、上位に食い込むだけの底力は十分あります。ヤマハ発動機ジュビロも、東芝に完勝したことからもわかるように地力は相当高い。清宮克幸監督が就任3年目を迎え、今シーズンは勝負の年といえるでしょう。
キヤノンイーグルスは昇格2年目ながらファーストステージでパナソニック、ヤマハ発動機を下し、見事にセカンドステージの上位グループ入りを果たしました。超一流の外国人選手を軸に据え、フルバックの橋野皓介選手ら切れ味ある若手をうまく機能させています。
グループBにも楽しみなチームは数多く存在します。近鉄ライナーズはフォワードのセットプレー、特に空中戦の強さに定評があります。NTTコミュニケーションズシャイニングアークスは統制のとれた戦いぶりと堅固なディフェンスをベースに、上位チームによるグループA入りまであと一歩と迫りました。
チャレンジングなチームとしては、クボタスピアーズが注目です。日本代表の司令塔を務めるスタンドオフの立川理道選手を擁し、展開力を前面に押し出した魅力あるラグビーをします。ハマった時の爆発力は、リーグでも屈指といえるでしょう。