中国株/中国株投資の仕方とおすすめ銘柄

業績急回復のTCL通信(02618)に注目!(2ページ目)

TCL通信(02618)はTCL集団傘下のモバイル通信機器メーカーですが、主軸をフィーチャーフォンからスマートフォンへ上手く転換することによって、業績が急激に改善しています。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

  • Comment Page Icon

スマートフォンの急激な伸びが業績を押し上げる

過去最高利益へ向かう可能性も出てきた

過去最高利益へ向かう可能性も出てきた!

7~9月期だけを見ると、さらにスマートフォンの販売台数が急激に伸びているのが分かります。3カ月間のスマートフォンの販売台数は162%増の520万台で、販売台数全体の34%を占めています。高機能スマートフォンの販売好調により、平均単価も41.8ドルから45.4ドルへと増加しました。

地域別にみると、携帯電話3600万台の販売台数のうち、3230万台は海外での販売で、370万台が中国国内となります。売上ベースでもう少し細かく見ると、欧州・中東・アフリカ地域が77%増の49億9900万香港ドル、アメリカが39%増の47億9,700万香港ドル、アジア太平洋地域が111%増の10億9200万香港ドル、中国が28%減の9億7300万香港ドルです。欧州は同社にとって最大市場です。特にロシアとイタリアでの販売はそれぞれ+96% 、+89%増と大きく伸びました。同社はベルリンで開催された家電製品のトレードショーに出展し、5種の新しいスマートフォンを披露するなどのプロモーションを行いました。この結果、欧州・中東・アフリカ地域におけるスマートフォン販売額は171%増の34億香港ドルと大幅増加し、同社スマートフォン販売の47%を占めています。

一方、中国での販売数量は17%減の370万台となりました。国内は競合が激しすぎ、欧州のようにアルカテルブランドの強みもありません。ただチャイナモバイルの通信規格であるTD-CDMAに対応したスマートフォン6機種の販売を7月に開始し、巻き返しを図ります。

過去最高利益へ向かう可能性も出てきた

米国に本拠地を置く業界最大規模の調査会社であるガートナー社の調査によると、全世界の携帯電話機の2013年上半期販売数量は3.6 %増となる4億3500万台でした。このうちスマートフォンの販売は46.5 %増の2億2,500万台で、全体の52%を占めました。スマートフォンは特にアジア太平洋地域で74 %増、南米地
域で56 %増など、新興国での増加ぶりが目立ちます。

世界スマートフォン販売トップは韓国サムスンで約3割のシェアがあり、そのあと米アップルが10%強で続き、3位以下は華為、レノボ、LG電子がそれぞれ数%台のシェアで競う状態です。これら上位5社以外のメーカーシェアは合計で4割ほどとなりますが、TCL通信はそのうちの一角として大きく伸びているところです。アップルは2年ほど横ばいの出荷量が続いていますが、TCL通信の成長率は世界平均を大きく上回ります。

市場は同社の来年以降の業績本格回復に注目していると思います。市場コンセンサス予想による2014年利益予想ベースのPERは14倍台で割高ではありません(株価6.6HKDで計算)。150ドル前後の最上位スマートフォンモデルの売上が年末商戦以降好調となれば、これまで低価格フィーチャーフォンというイメージのあった同社の利益構造を大きく押し上げ、来期以降、過去最高利益へ向かう可能性も出てきたと思います。

参考:中国株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/4/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます