「17 VS 145」

この数字が何なのか、分かりますか? これは18年前、日本代表とニュージーランド代表が戦った際のスコアです。

ラグビーでは、基本的に50点以上差がつくとミスマッチと言われています。前回のラグビーW杯決勝のスコアが8−7。つまり、このときの日本と世界最強国では、草野球チームとメジャーリーグくらい差があったのです。

しかし、時は経ち、日本代表も着実に力をつけてきました。今回、日本代表の注目すべきポイントは2つあります。1つは今の日本代表がスタイルを確立してきたこと。もう1つは、海外組という新たな力の融合です。

日本のスタイル「Japan way」

今年6月に、日本は強豪国ウェールズから歴史的勝利を挙げました。これは、本当に驚くべき結果です。

世界のスポーツ紙でも大々的に報じられ、私自身、イギリスの友人から「信じられない!ジャパンはよくやった!」とメールをもらったくらいでした。そのように代表史上もっとも勢いにのる日本ですが、何がこれまでと変わったのか? それは「敏捷性」と「粘り強さ」が日本代表のスタイル、「Japan way」として確立されたことです。

「なでしこ」から学んだ日本人の活かし方

マンチェスターユナイテッドで活躍する香川真司選手は敏捷性を、インテルミラノで活躍する長友佑都選手は、持久力や粘り強さがしばしば世界で生き残るための個性として取り上げられています。

しかし、彼らより早くそのような日本人的特徴を活かし、世界を獲ったチームがありました。女子サッカーの「なでしこジャパン」です。

ラグビー日本代表監督のエディ・ジョーンズは、なでしこジャパンに日本人の特徴を活かした戦い方を積極的に学び、取り入れています。そのような日本人の特徴を活かそうとする姿勢が、日本代表のスタイル確立に貢献し、ウェールズからの歴史的勝利に繋がったのです。

海外組との融合

堀江

オーストラリアのメルボルン・レベルズでプレーする堀江。機動力と器用さは海外でも通用 (C)JRFU, Photo by H.Nagaoka

しかし、今回対戦するニュージーランドはウェールズ以上の強敵です。その際、日本のスタイルを活かしつつ、個人でも負けない力が必要となってきます。

その役割を担うのが海外で活躍する日本人、いわゆる海外組です。世界最強リーグと言われるニュージーランドのトップチームでプレーする田中史朗選手、堀江翔太選手が、日本代表として戦うために帰国します。世界レベルを相手に日々戦う両選手の加入が、日本代表を一段上のステージにあげることは間違いありません。

いざ、世界最強と激突

田中

ニュージーランドの強豪クラブでも高い評価を受ける田中。166cmの小柄な体格ながら、強気なプレーと鋭い仕掛けでチームに勢いを呼ぶ (C)JRFU, Photo by H.Nagaoka

自分たちのホームで対戦できること。相手はヨーロッパ遠征に向かう途中の初の力試し試合となります。

これらの条件は、日本にかつてないアドバンテージが揃っている状態です。同時に日本代表自身の成長も著しい。今回の試合は、世界のラグビー史に新たな歴史の1ページが刻まれる可能性がある、私はそう思っています。

さあ、秩父宮で、歴史の証人になりませんか?



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