運用を始めるなら、半年分の月収を貯めてから!
余裕資金ができたらトライしたい
ファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんは「リスクのある商品で資産運用するのは、月収半年分程度の余裕資金を用意してから」と釘を刺します。
「株式や為替に投資する商品には、株価変動リスクや為替変動リスクがあり、相場環境によっては資産が目減りすることもあります。十分な余裕資金もないまま、そこに飛び込むことは間違っています。資産が大きく目減りした場合でも資産を全部失ったりせずに済むよう、月収半年分程度の資金を貯めてから、運用に挑戦しましょう」
仕組み預金で金利変動を体感しよう
資産運用の第一歩目は、いきなり株や為替に投資せず、仕組み預金で投資を学ぶという選択肢もあると畠中さんは話します。ちなみに、仕組み預金は、預金にデリバティブ(金融派生商品)をプラスした商品で、金融機関が自由に決める満期まで保有すれば、通常の普通預金より有利な金利が得られます。ただし、原則として中途解約ができず、中途解約した場合には元本割れするリスクもあります。
「以前は仕組み預金を購入するには、100万円などまとまった金額が必要でした。ですが、今はネット銀行であれば10万円から購入することができます。満期の時期は金融機関が自由に決めるため、3年目で満期になる場合もあれば5年目の場合も、10年目の場合もあります。実際に買ってみることで、金利がどのような状態のときに早く満期を迎え、どんな時には満期が延長されるのかを体感することができます。10万円から挑戦でき、金利の変動や価格の変動を知るという意味では、面白い商品と言えるでしょう。ただし、当分使う予定がなく、最悪の場合には減っても大丈夫な範囲のお金でチャレンジすべきですが」
次は投信積立を活用した資産運用を紹介します
畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー。大学時代からフリーライターとして活動し、出産後にマネー分野を専門とするライターとなりFP資格を取得。新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載やレギュラー執筆を持つとともに、セミナー講師、講演などを行う。「教育資金作り」「生活設計アドバイス」「住宅ローンの賢い借り方、返し方」「オトクな生命保険の入り方と見直し方」などのテーマを得意としている。
取材・文/大山弘子 イラスト/本山浩子 パネルデザイン/引間良基