ボタンつけもできない「新成人」が毎年、社会に送り出されています。

家庭科の履修時間削減が影響か

学校の家庭科教育が手芸業界と深く関わりのあることは、今さら指摘するまでもないことだ。小・中・高校の家庭科の時間に習得した手づくりの技術・技法が、後々、顕在化する手づくりニーズをコア部分で支える構図にあるからだ。

新成人イメージ

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ところが、今やその構図は崩壊寸前にある。

学習指導要項の改訂毎に家庭科の履修時間が削減され続けている。それに加えて1989年には、中学校家庭科で手芸が選択履修から外され、2008年に衣服の製作も外された。ボタンつけもできない新成人が社会に送り出されている。




家庭科の復活を手芸業界も支援


この流れを押しとどめ、「家庭科の復活」を提唱しているのが、河野公子氏(全国家庭科教育協会会長)を中心とした「家庭科教育に関する民間プロジェクト委員会」だ。
このプロジェクトは、次期学習指導要綱改訂時、家庭科の時間を増やすことを目的に設立された。「公共」科目の新設を目論むプロジェクトも動き出しており、学習時間の取り合いは既に始まっているといわれる。

現在、自民党政調文部科学部会において「家庭科教育に関するプロジェクト」(座長・小坂憲次氏、事務局・上野通子氏)が立ち上がり、関係者の会合で、議論が進行している。

このプロジェクトは、次期学習指導要項改訂時、家庭科の時間を増やすことを目的で設立された。「公共」科目の新設を目論むプロジェクトも動き出しており、学習時間の取り合いは既に始まっているといわれる。
「中央教育審議会の素案がまとまる前段階で民間の思いを届けないと意味がありません。その意味からいえば今が一番大切な時期」。このまま手をこまねいていると、家庭科教育がおきざりになりそうな状況にあることに、河野会長は危機感を強めている。

「家庭科の復活」に異論はなく、双手を挙げて賛成・支援を惜しまない手芸業界。家庭科の復活に寄せる業界の期待は、きわめて大きい。
今後、この運動に期待したいのは「業界のエゴ」に留まらない、広く一般市民の支援と共感を得てより裾野の広い運動に盛り上げていくことだ。

情報提供:「洋装産業新聞」






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