夢に向かって前進していくデザイン学校に通う若者達
■作品名ご近所物語(1995~1997)
■作者名
矢沢あい
■巻数
全7巻 (完全版:全4巻)
■おすすめ理由
「りぼん」で連載された「ご近所物語」。
矢沢作品らしく、前作の「天使なんかじゃない」や後作の「Paradise Kiss」とのリンクも楽しめる作品で、テレビアニメ化もされました。
デザイナーを目指してデザイン学校に通う若者達や、ご近所の知人・友人を巻き込んだ青春と恋愛ストーリーです。
■あらすじ
デザイナースクールの矢澤芸術学院に通う幸田実果子は、デザインセンスと服作りに抜群のセンスを持つ女の子。
自分の個性を重んじるので、中学時代は制服を着崩し、いじめにも合っていたが、デザイナーになる夢の前には、そんなことも「へ」とも思っていないほど気が強い。
でもそんな実果子のお隣さんで幼なじみの山口ツトムだけは、気の強さの影に隠れた彼女の淋しさや弱さを理解し、よき隣人としてよきボーイフレンドとして見守っている……。
矢沢作品のなかでも大好きで何度も読み返しているお話。
実果子の着ている洋服や、インテリアなど漫画の中のファッションや小物などがとても可愛くてセンスが良いので楽しめます。
どんな時でも、デザイナーになる夢を一番にしている実果子の気の強さも好き。
そんな彼女の、破天荒な行動の裏に隠れている淋しさや動揺を誰よりも理解し、いたぶられながらも愛してフォローしまくるツトムがまた面白くてかっこいいんです。
他の登場人物の恋愛悲喜劇も丁寧に描かれていて、何度見ても専門学校に通う年代の青春と、とまどいながらも前へ前へと進んで行く姿に元気をもらえる大好きな作品です。