和菓子職人の道を目指す奈津の成長ぶりを描いた未完の名作
■作品名あんどーなつ (2005~2013)
■作者名
原作:西ゆうじ、作画:テリー山本
■巻数
全20巻 (未完)
■おすすめの理由
浅草を舞台にした老舗の和菓子店を舞台に、若い和菓子職人の奈津を取り巻く人々や、和菓子の世界、昔ながらの人情の残る浅草の風情などが描かれた漫画で、ドラマ化もされました。
パティシエを目指していた安藤奈津(あんどうなつ)は、銀座の洋菓子店の採用試験に落ちてしまうが、ひょんなことから浅草の老舗和菓子店「満月堂」の職人達と出会い、和菓子職人の道を目指すことになります。
明るくて真面目で気配りのある若い奈津、満月堂の和菓子職人の梅吉、落ち着きのある女将の光子など満月堂のメンバーを巡り、悲喜こもごもの様々な出来事がおこり、その度にくじけず乗り越えて行く奈津の成長ぶりが見どころです。
仕事には厳しいけれど、人間味のある職人歴50年以上の梅吉や、奈津を見守る一ツ橋流茶道の家元・一ツ橋あやめなど、わきを固める人々が「一芸に秀でた」人間の深みを感じさせる部分も魅力です。
登場する和菓子の材料や制作行程、季節の和菓子とお茶の関連性なども非常に勉強になり、
読むたびに、その季節の生菓子を買ってきてお茶を立てて頂きたくなります。
2013年に原作者の西ゆうじさんが死去されたために、連載は終了し、奈津がこれから和菓子職人としてどのような成長ぶりをしていくのかを見届けられなかったのが、非常に残念です。