損益通算でFXの利便性が高まる

株式とFXの損益通算ができるようになれば、税制面でメリットが

株式とFXの損益通算ができるようになれば、税制面でメリットが

損益通算というのは、一方の取引に生じた利益を、もう一方の取引に生じた損失と相殺させることで、税制面の不利をなくすためのものです。

たとえば、FXで100万円の利益が、株式取引で80万円の損失が生じたとしましょう。今までは、株式とFXの損益通算が認められていなかったため、両方の取引で、差し引き30万円の利益しか得られていないのに、FXで生じた100万円の利益に対して20%が課税されていました。

つまり、FXの課税後利益は80万円なので、株式取引で生じた損失80万円と合わせて考えると、利益は0円になってしまいます。

一方、損益通算が認められると、まずFXで生じた100万円の利益から、株式取引で被った80万円の損失を控除できます。したがって、実際に課税されるのは、残りの20万円に対する20%ですから、税額は4万円であり、最終的には16万円の手取りになります。

損益通算が認められれば、最長3年間の損失繰延も認められるはずです。損失繰延とは、損益通算を行ってもなおかつ損失が残った場合、最長3年間、損失を繰り延べることができることです。

たとえば、2014年の損益通算で100万円の損失が残ったとしましょう。そして2015年の取引で50万円の利益が出ました。この場合、2014年に100万円の損失が残っているので、これで損益通算ができます。したがって、2015年も利益に対する課税は生じません。それでもさらに50万円の損失が残っているので、2016年の取引で利益が出た場合には、それも50万円の損失と損益通算できます。こうして最長3年間の損失繰延と損益通算が可能になるのです。

取引所FXが優先される?

今回の税制改正要望が出された時、FX業界で話題になったことがあります。それは、金融庁が出した要望書のなかに、「とくに、総合取引所に係るデリバティブ取引については、早期に実現すること」と書かれていたことが、取引所FXを優遇するものと受け止められたからです。

東京金融取引所は東京証券取引所と同様、総合取引所です。つまり、金融庁が出した要望書の中身は、店頭FXよりも取引所FXを優先して損益通算を認めるものと受け止めることができます。取引所が優先となった場合、店頭FXから取引所FXに資金が流れる可能性もあります。

もちろん、あくまでも現段階では要望書なので、仮に損益通算が認められるにしても、まだ先の話ではありますが、FX業界のマネーフローを把握するうえで、損益通算の行方は注目されます。
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