関東鉄道常総線のレトロ風な駅
茨城県石岡にある地磁気観測所への影響を考慮して電化されずディーゼルカーによる運行となっている。逆にそれがローカル線らしい情景にマッチしている。とくに水海道より北の区間は1両のディーゼルカーによる列車がほとんどでのどかな雰囲気だ。もっとも、車内はロングシートばかりで物足りない。大宝駅
近くにある大宝八幡宮にちなんで、それを模したような造りの駅舎。近年レトロ風に再建されたもの。縁起の良い駅名ということで「開運」記念入場券を発売しているものの、無人駅なので、当駅では販売せず、窓口のある主要駅や通信販売で購入するとは、ちょっと変だ。騰波ノ江駅
「とばのえ」と読む。知らないと分からない難読駅。開業当時からの古風な木造駅舎だったが、老朽化のため解体し、同じような味わいの新しい駅舎に造り替えた。関東の駅百選に選ばれていた名駅だから無粋な新駅には出来なかったのだろう。映画のロケが行われたこともあり、知る人ぞ知る木造駅舎として一定のファンがいるのは心強い。時折、駅でイベントが行われ、ファンが集まっている。カボチャ駅長なるものが誕生し、ローカルな話題になっているようだ。富岡製糸場で注目される上信電鉄の新しい2つの駅
上州富岡駅
群馬県のローカル私鉄上信電鉄は、沿線に世界遺産となった富岡製糸場があることもあって、最近注目される鉄道である。その最寄り駅は上州富岡駅。2014年の富岡製糸場世界遺産登録決定に合わせるかのように、その直前に斬新なデザインの駅舎が3代目駅舎として誕生した。製糸場の煉瓦をイメージした壁は、部分的なものなので圧迫感が全くなく、広々とした空間は、駅舎らしからぬ建造物である。デザイン、建築関係の賞をいくつも受けている。
佐野のわたし駅
高崎と根古屋間の烏川の脇に、2014年12月に開業した新しい駅。地元の請願により設置された。高齢化社会を見すえ、クルマに代えて鉄道利用を促す施策の一環でもある。
通勤通学はもとより、「撮り鉄」にとっても、撮影名所烏川橋梁への電車でのアクセスが容易になったのは朗報である。コンパクトながらよくまとまった新駅だ。なお、駅名の「佐野のわたし」とは、烏川に渡し舟があったことに由来する命名だそうだ。また、この駅は北陸新幹線の車内からも見ることができる。
世界遺産富岡製糸場への重要な足となる上信電鉄
流鉄流山線のユニークな駅
千葉県北西部、常磐線馬橋駅から分岐する小さな鉄道流鉄流山線は、首都圏近郊にありながらローカルムードたっぷりの路線である。いまだに自動改札機がなく、Suica、PasmoといったICカードは一切使えない。そんな路線に始発の馬橋から乗車すると、次の幸谷(こうや)は、何とマンションの1階に駅があるという変わり種の駅だ。この場所はJR新松戸駅の至近距離にあり、JRの駅から便利なマンションの1階から別の電車が出ているという面白い雰囲気を味わうこととなる。実にユニークな駅といえる。
以上、首都圏にあるちょっと面白いローカルな駅をピックアップしてみた。首都圏在住の人なら、気楽に訪問できるロケーションにあるので、休日にふらりと出掛けてみてはいかがだろうか。