運命の出会いを信じた純粋なナンパ
恥ずかしながら私の話を……当時、私は都内の実家から電車で1時間半かけて通学する大学1年生でした。
ある朝、電車でものすごくカッコイイ高校生を見かけて一目惚れ。その日から1限目の授業がない日でも、彼と同じ電車に乗りたいがために家を早く出る毎日。でも彼のほうは私には一切興味がない様子。目が合うことも殆どなく2週間が過ぎ、私は思い切って彼に話しかけてみる決心をしました。
ナンパってやつです!
とはいえ、電車内で声をかけるのは迷惑かと思ったので、「良かったら電話下さい」と自分の携帯番号を書いたメモを用意。彼が電車を降りたあとを追って、ホームで「すみません!」と後ろから声をかけて彼を呼びとめ、「これ読んで下さい!!」とメモを渡して、そのまま停まっていた電車に飛び乗りました。
彼はびっくりしたような、少し困惑したような表情をしていました。私はというと、顔は真っ赤だし、心臓はバクバクだし、車内の誰かに見られてたらと思うと恥ずかしくて気絶寸前だったのをよく覚えています。
その日の授業は上の空。高校の授業が終わった夕方に電話がくるかな、との期待もむなしく、電話は夜になっても鳴りません。「やっぱり女からナンパなんて引かれたんだ」とうなだれていた23時過ぎ、知らない番号から着信が。彼でした!
「もっと早くかけたかったんですけど、がっついてるとか思われたくなくて。今朝はびっくりしたけど、ズゲー嬉しかったっす」と照れ笑いして敬語で話す彼に「敬語使わないでくださーい」とか言ったのを覚えてます!
その後、1時間以上も長電話し、話もまだつきないということで、翌日の学校帰りに会う約束をしました。会ってからはトントン拍子に話が進んで、3日後にはお付き合いすることに。
結局彼とはそのあと8ヶ月間お付き合いし、最後は一緒にいったディズニーランドでの喧嘩が原因で別れ、その後すぐ私は大学を辞めて留学したので、彼とはそれっきり会っていません。
でも私は勇気を出してナンパして良かったと思います。私から声をかけなければ、彼を知ることも、彼と付き合うこともできなかったので。
ナンパというと、軽いイメージがありますが、中には真剣だったり、運命の出会いを信じた純粋な動機のナンパもあると思います。
たかがナンパ、されどナンパ。一期一会の出会いを大切にしたいですね。