センターがおもしろいとゲームもワクワクする
BKも大きく分けて3つのポジションがあります。ひとつ目はスクラムハーフ(SH/9番)とスタンドオフ(SO/10番)で構成するハーフバック(HB)団です。小さくて俊敏な選手が務めることの多いSHは、FWが密集戦で確保したボールを、優れたパス能力を生かしてBKに供給する存在です。一方SOは、SHからパスアウトされたボールを受け、パスやキック、ランなど状況に応じてプレーを選択します。攻める方向や攻め方を決めるポジションであるため、「司令塔」と表現されることもあり、この位置に登用される選手がゲームリーダーを務めることがよくあります。状況判断力に優れ、パスやキック、ランなど様々なスキルが求められるポジションです。
次に、グラウンドの中央でプレーするのが、センター・スリークウォーターバック(CTB/12、13番)です。CTBはBKの中でもっともコンタクト数が多いポジションになります。そのため大きな選手を起用するチームもあれば、体は小さくても突破するスキルの高い選手を起用するチームもあります。
CTBは体の大きさうんぬんより、常に周囲とコミュニケーションをとりながら動くことが求められ、FWのバックローとともにもっともチームの目指すスタイルが表れやすいポジションです。そのため、CTBにおもしろい選手がいるチームは、見ていてワクワクするチームといえます。
スピード自慢揃いのバックスリー。フルバックのゲームコントロール力にも注目
最後はウイング(WTB/11、14番)、フルバック(FB/15番)のバックスリーです。この3人はチームの中でもっとも足の速い選手であることが多く、たいていはグラウンドの端にいて、ボールを持って走ることを使命としています。ただ最近は、ここも3人のユニットとしてバランスを考えることが多く、ウイングのひとりはスピードのある人、もうひとりは力強い人を置く、というようなケースも増えています。フルバックは最後の砦。攻守に冷静さが求められる
サッカーのゴールキーパー同様、ボールを持ったりタックルしたりする回数は少ないのですが、ゲームに与える影響は非常に大きいポジションといえます。FBがプレー、精神両面で安定しているチームは、多くの場合パフォーマンスも安定しています。FBが声を出して指示をしている姿に注目すると、そのチームがきちんと機能できているかどうかがわかり、ラグビー観戦がさらに深みを増すと思います。