五輪決定で注目銘柄は、首都インフラと鉄道関連
東京五輪開催決定で、注目のテーマ、銘柄とは何でしょうか?フィスコの株式アナリスト、村瀬智一さんは「インフラ関連銘柄に注目すべき」と語ります。東京五輪は、半径8キロ圏内で行える、費用をおさえたコンパクトさが売りです。メイン会場のほかは、国立代々木競技場を全面改修し、既存の建物を耐震補強などで利用することになっています。また、既存の交通手段を利用することになっています。
東京都の試算では、五輪開催による国内経済への波及効果は13年9月から20年9月までで約3兆円と試算しています。
しかし、これに対して村瀬さんは、東京五輪開催にあたり、むしろインフラ整備の需要が大きくなると語ります。
「前回1964年の東京五輪に向けたインフラは老朽化が進んでおり、インフラ整備は重要です。今年はゲリラ豪雨が多発するなか、都内でも地下水があふれるなどの被害が出ていました。また、3・11の大震災では、日本橋の川なども、東京湾からの逆流が起きていました。上下水道など整備や首都高整備は重要課題です観光客招致のため、羽田空港と成田空港を結ぶ新線などの鉄道インフラや、東京・お台場ゾーンでの商業施設やリゾート施設などの開発も増えることになりますから、首都インフラ銘柄に注目するのも一考です」(村瀬さん)
●村瀬さん注目の首都インフラ銘柄7
<1414>ショーボンドホールディングス
<5911>横河ブリッジホールディングス
<1801>大成建設
<1802>大林組
<1824>前田建設工業
<8801>三井不動産
<8802>三菱地所
●村瀬さん注目の鉄道インフラ銘柄8
<1815>鉄建
<6268>ナブテスコ
<6505>東洋電機製造
<6502>東芝
<6424>高見沢サイバネティックス
<6647>森尾電機
<6654>不二電機工業
<6741>日本信号
五輪銘柄は押し目買いで購入を
五輪開催決定により、9月10日現在、五輪銘柄を中心に株価が上昇していますが、村瀬さんは、五輪銘柄に投資をするときの注意点を挙げます。「五輪開催で、短期的には、建設や不動産関連に関心が集まることになります。しかし大震災の時もそうでしたが、短期間で急騰するものの、その後の調整は比較的長くなります。7年間のタームであれば、トレードのチャンスは相当多いとみられますので、入るタイミングに注意をして押し目買いを心がけてください」
次のページでは安部首相のスピーチから注目の銘柄を考えてみます
監修/村瀬智一(フィスコ 株式アナリスト) イラスト/竹松勇二 パネル作成/引間良基