だけど、そんなイメージとは正反対のタブレットが、パナソニックから発売されているのをご存じだろうか。「ホームスマートフォン VS-HSP200S」は、家庭向け固定電話に、Android(2.3)が動作するタブレットが子機(モニター子機)がセットになったものだ。
“スマートフォン”という名前が付いているが、どちらかと言えば”タブレット”だろうというツッコミはともかくとして、「ホームスマートフォン」という名前から製品のコンセプトは、なんとなく推測できると思う。
簡単に言えば、「固定電話とAndroidタブレットを合体」させたこのアイテム。例えば、自宅のリビングなどで手軽にネットを利用したいというニーズにはピッタリだが、電話とネットで、回線の扱いがことなるため、少々注意が必要なところもある。また、家電メーカーの製品らしく、インターフォンやドアの開閉センサーなどの同社製のホームセキュリティの端末としても利用できるのも特徴だ。
ハンズフリー通話できるタブレット
製品の構成は、受話器型子機とその充電台を兼ねた親機、そしてモニター子機からなっている。それぞれの役割と利用できる機能は、おおむね次の通りだ。親機:電話回線への接続、留守番電話、子機(受話器型)の充電
子機(受話器型):通話、留守番電話の操作
モニター子機(タブレット型):ハンズフリー通話、留守番電話の操作、FAXの送受信、Androidアプリ、インターネット
気になるモニター子機のスペックは次の通り。
OS:Android 2.3
CPU:Marvell MMP2 800MHz(シングルコア)
メモリ:512MB
ストレージ:4GB
カメラ:130万画素
搭載センサ:GPS、3軸加速度センサ
電源:ACアダプタ、内蔵リチウムイオンバッテリ(2,450mAh)
電話回線への接続や留守電話、FAXといった電話に関する基本機能は、親機がすべて担っており、ワイヤレス電話機で標準的なDECT方式で接続した子機から、それらを操作する。受話器型の子機については、パナソニックの従来の電話機と同等の機能を搭載しており、使い勝手などもそれにならっている。つまり機能やスペックなどについては、言わば「普通の電話機」だ。
気になるAndroidを搭載したモニター子機だが、こちらからは電話回線を通じての通話に加えて、Wi-Fi経由でのインターネット接続が可能だ。つまり、ブラウザやAndroid用アプリを利用した様々なインターネットのサービスが利用できるのだ。標準ではSkypeがインストールされており、アカウントを設定すれば内蔵カメラを利用したテレビ電話(ビデオチャット)がすぐに利用できる。アプリは他にも、GmailやGoogle+、radiko.jp、カレンダーなどのほか、mixiやFacebook、Twitterなどがプリインストールされている。
すでにAndroidユーザーなら電話帳が利用できる
モニター子機のOSのバージョンやCPUのスペックは、2010~2011年頃に発売されたスマートフォン相当のもの(SamusungのGalaxy SやソニーのXperia Arcあたり)。現在の最新機種からは見劣りするのは否めないため、ゲームを快適にプレイしたり、ホーム画面にウィジェットを大量に置くのは少々厳しい。だが、一般的なアプリならほとんど問題なく使える。もちろんAndroidだから、当然Googleアカウントにも対応している。Google Playが利用可能なので、アプリが対応さえしていれば、より機能を増やしていくことができる。ただし、OSのバージョンが2.3と古いため、最新のアプリは対応していないものもあるので注意が必要だ。
また、Googleアカウントに対応していることのメリットのひとつが、すでにAndroidに対応したスマートフォンを利用している場合、同じGoogleアカウントを設定するとアカウントに紐付けられた連絡先(電話帳)がそのまま利用できるという点だ。固定電話から電話を掛ける場合、スマホを電話帳として使うことがあるが、ホームスマートフォンならば本機の画面操作だけで電話が掛けられるのだ。