物価上昇が家計を圧迫する
資産運用で家計を守ろう
日本では、小麦や大豆、トウモロコシのほか、原油や天然ガス、鉱物資源などの多くを海外からの輸入に頼っています。そのため、国際的な商品価格の高騰は、家計への打撃になります。
「商品価格はこれまでも高い水準で推移していました。ですが、日本では円高で相殺されていたために、家計への直接的な影響はありませんでした。ところが、為替相場で急激に円安が進んだことで、原材料価格が高騰し、家計へも影響が出始めています」
多くの家庭では収入が増える前に物価が上がり、家計をジワジワと圧迫しているのです。
「資産運用が=家計防衛」になる時代が来る
商品価格の高騰に加え、2%のインフレ目標が掲げられる今、物の値段が上がることは間違いないようです。では、物価の上昇にどう対応すればいいのでしょうか。「お金の価値が上がるデフレの時代は、金利が低くても預貯金をしていれば勝ちでした。ですが、今後はインフレリスクが家計に立ちはだかることを考えると、資産形成という意味だけでなく、家計防衛の観点からも、多少のリスクをとって資産運用することが必要になってきます。それどころか、資産運用が生活するうえでの基本的なスキルになる可能性すらあります」
預貯金は、比較的金利のいいネット銀行などに預けるだけですから、誰でもすぐにできることです。ところが、資産運用は、金融商品の選び方や投資のタイミングによっては、資産を増やすどころか減らす可能性もあります。
「資産運用は、勉強も努力も必要ですし、頭も使います。それでも、資産運用をしないことには、物価上昇で家計が圧迫されるばかりか、インフレでお金の価値が減価し、資産が目減りするリスクに見舞われることになってしまいます」
インフレの入り口に立った今は、勉強しながら資産運用をはじめるチャンスともいえるでしょう。
次ページでは、具体的な資産運用の方法を教えてもらいます
監修/藤川太(ファイナンシャル・プランナー) 取材・文/大山弘子
イラスト/竹松勇二 パネルデザイン/引間良基