タテマエは「正義感」。でも、本音は嫉妬
あんなに幸せそうだったのに……
駆け出しの小栗旬との熱愛発覚時には、リーダーに就任したばかりのモーニング娘。の地位をあっさり退いて愛を選んだ彼女。その潔さはかっこよくすらあった。
それから数年後、大人になった彼女は、格下の男と結婚し、お金でも地位でも名誉でもなく愛をとったかに見えた。
しかし結婚してわずか2年。原因は不明だが、夫のある身で自宅お持ち帰りの大胆不倫……
確かに人としてどうなの?という出来事ではあるが、それにしても世の中の彼女に対する厳し過ぎる視線。
犯罪を犯したわけでもないのに、この社会的制裁はいささか厳し過ぎるのは……とすら思う。特に、女性からの彼女へのコメントはことさらに厳しい。
なぜか。女性が矢口批判をする本当の理由は、矢口が不純な行為をしたことに対して、倫理観とか正義感を振りかざしてのことではない。
それはずばり、矢口への嫉妬だ。
格下の人間を見て安心……していたつもりが
矢口は過去様々な男性と浮名を流してきたが、どうも彼女に女性としての「モテ」や「上等さ」を感じないのは私だけだろうか。ブレイク前だったとはいえ、あの小栗旬と付き合えていた矢口。けっこう冷静にすごいことだ。他にもジャニーズのタレントとも関係があったとかなかったとか。そして無名ではあるが年下で優しそうな男性と結婚。振返ってみると、彼女の人生に男性が途切れた瞬間はなさそうに見える。これって一般的に言う「モテる」って状態を指すのではないだろうか? なのに、だ。なぜだろう、彼女は「いい女感」や「小悪魔的な魅力」というイメージから遠い。
明るく元気ないじられキャラで、ちゃきちゃきしたおばちゃんのような立ち位置。モーニング娘。でアイドルとして活躍していた記憶は視聴者からは遠ざかり、今はバラエティタレントとしてのイメージが強い。タレントとしては「デキる」人だったのだろう。
その親しみやすいキャラクターと、小柄で童顔というルックスから、なんだか彼女には「前のめり感」が滲み出ており、「モテ」とか「色気」というキーワードは彼女のイメージとして薄い。
結婚したときも、「へー、こういう人と結婚するんだぁ」とある意味納得度が高かったように思う。そしてそれは、『身の程をわきまえた妥当婚』と世の女性には映ったのではないだろうか。
だからこそ、結婚は彼女の好感度を上げた。お金やステータスが目的ではなく、本当に好きな人を生涯の伴侶として選んだ彼女。格差婚など意に介さない彼女の男前な選択は、爽快であり、心からの祝福を得た。
しかしその曇りなき祝福の根底にあるのは、「彼女を見ていると安心できる」という下心があったのではないだろうか。どんなに矢口が熱くノロけていても、まったく嫌味にならない。つまり、羨ましくないのだ。
自分にたとえ恋人がいなくても、モテなくても、恋人がたいしたことなくても、矢口を見れば、
「(格差婚だから)矢口は仕事をがんばっていてすごい!」
「旦那さん優しくてすてきだね!(私はイヤだけど。)」
と、自分より恵まれない人間を見て得られる安心感があったのだと思う。
非モテ女性の本性は、情熱的な恋愛体質
しかし。そんな思い込みを嘲笑うかのように、矢口は結婚してもなお、相変わらずそれなりにモテていたのだ。相手の方は年下のモデルらしい。報道では矢口の猛烈アピールと言われているが、どっちから仕掛けたかはよもやどうでもよく、二人の交際は成り立っている。矢口は、非モテの仮面で聴衆に気安さと親近感を与えていたにもかかわらず、実際の彼女は全く負け組じゃない、いざ気になる男性が現れたら、自分の立場や世間体など厭わず、愛のままにわがままに突っ走る、情熱的な恋愛至上主義者だったのだ。
彼女はそんな風に聴衆を欺いてるつもりはなかったのかもしれない。本来の奔放な性分を隠しているわけでもなかったのかもしれない。ただ、こちらが彼女を勝手にモテない判定し、勝手に安心して、勝手に裏切られた気になってるんだから、矢口にしてみればいい迷惑だ。
確かに、不倫は世の中では後ろ指をさされることかもしれない。しかし、いささか厳し過ぎるバッシングと彼女の長過ぎる沈黙に、世間のムードも徐々に変わりつつある気がする。「ちょっと言い過ぎちゃったかな……?」「そこまで騒ぐようなことなの?」という冷静な意見も聞こえてきそうだ。
個人的には、「女・矢口真里」の真実に、興味がむくむく湧いてくる。様々な男性と浮名を流してきた彼女の、テレビでは語られなかった魔性。ぜひ逆境をバネにし、スキャンダルを踏み台にして、思いっきり開き直って、ネオ・矢口真里の真価を世に知らしめてほしい。お待ちしております!