電子書籍/電子書籍業界動向

電子書籍時代の新しい雑誌の形態

雑誌が売れないと言われるなか、Kindleでミニ四駆の電子雑誌『ミニヨン技術』が発刊されました。これから雑誌という情報コンテンツが生き残る方法のひとつとして、電子雑誌での展開も考えられるのではないでしょうか。

執筆者:上村 充弘

彗星のように現れたミニ四駆の電子雑誌

ミニヨン技術

創刊されたミニヨン技術

オールアバウトの社内で、密かに盛り上がりつつ有るミニ四駆。某恵比寿内でミニ四ファイトが行われようとしているまさにその時、Kindleでミニ四駆の雑誌が創刊されるという情報がガイドの元に舞い込んできました。

ガイドはニッチな市場に向けて、広告を入れずに、セルフパブリッシング的に雑誌を発行するという手法は、会社規模で考えなければ成り立つモデルではないかと思っています。

そして、6月1日ついにミニ四駆の電子雑誌『ミニヨン技術』がKindleで発売されました。

 

雑誌不況の中で考える雑誌の新しい方向性

雑誌は、出版社が考える情報を大多数の消費者に向けて指し示す情報コンテンツだと考えられます。

つまり、情報雑誌は1週間分の情報を出版社の編集部がフィルタリングして、提供することが価値だったのです。要は情報キュレーターが編集部であり、感度の高いキュレーターが編集部だった時代が長く続いたわけです。
※ここで言うキュレーターは、情報を収集・整理し読者に共有する行為者のこと

しかし、大多数の消費者全員が同じ情報を消費するというわけではなく、読みたい記事と読まない記事が雑誌の中にはあり、読まない記事についても代金を支払う形になっていました。

今回、ミニ四駆に特化したニッチな電子雑誌の発刊は、雑誌の新しい方向性を示したと考えられます。今までの紙の雑誌であれば、一定の部数が無いと印刷ロットとの兼ね合いや製本ロットとの兼ね合い等があり、採算ベースにのせる企画が必要でした。そのため、部数の見込めない雑誌は発刊出来ないという流れでした。

今回、Kindleで電子雑誌として発刊した『ミニヨン技術』はミニ四駆の雑誌というニッチな市場に電子雑誌という形態である程度収益が見込める形で参入して来ました。

今後、このようなニッチなモノの雑誌がセルフパブリッシングという形でどんどん流れ込んでくると推測します。そうなった時に、webサイトとの住み分けがどうなるのか?というところがニッチなモノをテーマとした雑誌づくりの肝になると考えます。

今回の『ミニヨン技術』の取り組みは、雑誌という情報コンテンツが生き残る方法のひとつを提案した形となりました。『ミニヨン技術』の健闘を祈りたいと思います。

ミニヨン技術カップミニ四駆大会が開かれるのであれば、是非とも参加させていただきます!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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