これから暑い時期、フィラリア検査のシーズンで、病院の待ち時間が長くなることが予想されます。一層しっかりした準備が必要です。犬・猫ともに「これから病院に行くんだよ。」「大人しく順番を待つんだよ。」と言っても聞き分けてくれる子は少ないと思います。彼らがもし言葉を話せたら、「そんなの絶対いやだ。」とか「あの消毒薬の匂いが嫌いなんだよね。」とか言うに違いありません。ペットと飼主さんが通院でめげてしまわないために、いくつかポイントを挙げてみました。
1 すいている日と時間を確認する
待ち時間が多いと、病気のペットはつらくなってきますし、健康でも退屈してしまいます。それは人間でも動物でも同じです。できるだけ早く診療を受けるために、すいている日と時間を確認しましょう。「どうやって調べるの?」-それは簡単です。動物病院の受付で聞くのです。わざわざこんな事のために電話が面倒という方は、フィラリア検査や薬の受け取りのときに、さりげなく聞いておけばよいのです。一般に土日開院の病院は土日の夕方から夜にかけてが混みあいます。平日もお父さんが帰ってから車でペットを連れてくる方が多いので、夕方は混雑です。また、6月前後はフィラリア検査が始まるので混みます。狂犬病の予防注射を集合注射でなく、動物病院で受ける人も多いので、この季節はかなり混むと考えてよいでしょう。
混む時間帯を避けることで、ゆっくりと治療が受けられ、ペットもストレスが少なくてすみます。また、お車でお越しの方は駐車場の有無、台数などもあらかじめチェックしておかれるとよいと思います。
2 時間ぎりぎりには行かない
動物病院スタッフがこういうことを言うと、「早く帰りたいんだろう。」と思われるかもしれませんが、時間に余裕を持って行くのは飼主さんのためでもあります。8時までの病院に7時55分に入っても、受付時間内ですから診療を断られることはありません。また、繁忙期でなければ「どうしても診てほしい。」と電話を入れておけば、8時過ぎに到着しても診察は受けられるでしょう。しかし、どの動物病院もタイトなスケジュールで回っています。診察終了後すぐに手術の予定が入っていることもありますし、時間外はスタッフの数が少なくなっていることもあります。
しっかりした治療を受けるためにも、ぜひ時間に余裕を持って動物病院にお越しください。
3 診療しやすい状態で連れて来て下さい
こんな子を動物病院に連れていくのは大変....。前もって洗濯ネットなどの準備をしておきましょう。
洗濯ネットは病院でも用意があり、飼主さんに入れていただくこともできますが、他の猫の匂いがするものは、どの猫もあまり好きではないようです。ぜひ通院用に愛猫専用のネットをご用意ください。また、噛む癖のある犬については、前もってそれを病院スタッフに知らせてください。飼主さんが触れない犬を、獣医師が自由に扱えるというのは、幻想です。獣医師は魔法使いではありません。
本当は日常から身体を触られるのに慣れさせる訓練をしておくのが一番良いのですが、病気や検査のときにはそうも言っていられません。口輪もつけさせてくれない犬の場合、注射で眠らせておき、治療が終わってからまた起こすという方法を使いますが、これも費用とストレスが余分にかかります。良い診療は飼主さんのご協力があってこそ。ぜひどうぞよろしくお願いします。