評価の基準時
遺産分割の財産評価の基準時は?
ちなみに、相続税の評価は、「相続開始時」となっています。これは、相続開始と同時に相続人に財産が移転することと課税の公平性のためです。
土地評価方法
土地価格は、1物4価と言われていて、下記の4つがあります。末尾の数字は、公示地価を100とした場合の指数です。- 時価(実勢価格、取引価格) 110
- 公示地価(公共工事での買取価格、簡易時価) 100
- 路線価(相続税・贈与税の評価、道路一本一本に価格が付いている) 80
- 固定資産税評価額(3の倍数の年に評価替え、平成24年に評価替え) 70
簡易な時価を算出する
簡易な時価として、土地については、公示地価があります。しかし、公示地価は、評価地点が限られていて、評価対象地が公示地価の評価地点でない限り、そのまま適用することができません。そこで、道路1本1本に価格が付されている路線価を使います。路線価が公示地価の8割であることを利用して、0.8で割り戻します(=1.25倍する)。路線価×地積×1.25=公示地価(簡易時価)ベースの土地評価
もちろん、路線価に反映されていないマイナス要素(間口狭小、不整形、広大な土地、傾斜地、がけ地、忌地、線路脇、セットバックなど)がある場合には、これらの「補正」も考慮します。
建物については、固定資産税評価から算出します。固定資産税の評価額は、時価の5~6割となっていますので、この評価額を2倍すると時価と考えられます。ただし、木造住宅の場合には、建築後20年以上経過すると実際の取引価格は、0円とされることもあります。さらに、同30年を過ぎると取り壊しのため、マイナス財産とされることもあります。
また、同じ土地評価でも、収益力が異なるため、収益力も考慮します。何年分の「利益」を上乗せするのかを決めます。
さらに、現金化する際の費用も考慮します。不動産鑑定士に依頼する方法と簡易時価を算出する方法のどちらの方法でも、不動産を取得する人とお金でもらう人がある場合には、不動産の現金化には費用がかかることから、「現金化費用」を考慮しなければいけません。具体的には、登録免許税・譲渡税・測量費用・売却手数料などです。
簡易な時価-補正+建物価額+利益-現金化費用=不動産の評価
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