鉄道/鉄道博物館

SLで街おこし、真岡の「SLキューロク館」オープン(2ページ目)

2台の蒸気機関車が定期的に走る真岡鉄道の拠点である真岡駅(栃木県)脇にSL展示施設「SLキューロク館」がオープンした。これは、大正生まれの名機関車9600形(通称キューロク)を展示するもので、圧縮空気によって、機関車を僅かな距離とはいえ動く状態で見学できる。全国に、動態保存のSLは何両も残っているが、9600形の動態保存機はなかったので、この「SLキューロク館」は、貴重な存在といえる。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド


旧型客車スハフ44形について

客車

客車は館内で展示される

館内には、旧型客車スハフ44形25号の姿が見える。9600形と連結していないものの、機関車のすぐ後ろに置いてあると、つながっているように錯覚する。「汽車」の雰囲気が漂い実に好ましい。

車内

「汽車旅」のムード一杯の車内

この客車は、長らく東京・お台場にあった「船の博物館」の展示施設青函連絡船羊蹄丸の船内で展示されていた車両である。羊蹄丸が事情により解体されることになったので、運命を共にするかと懸念されていたが、解体を免れ、「SLキューロク館」に引き取られた。レトロな車内は見学できる。四人掛けボックス席に座れば、昔の汽車旅の感興に浸れる。

 

その他の展示車両

真岡駅東口

真岡駅東口からはキハ20の姿が見える

建物の外側、真岡鉄道の線路脇にも、何両かの展示車両がある。

●キハ20形247号ディーゼルカー
キハ20

かつて国鉄真岡線で活躍したキハ20形ディーゼルカー

全国各地の非電化ローカル線を中心に普通列車用として活躍した。この車両は、関西地区で働いた後、国鉄真岡線にやってきて、JR真岡線が廃止となった1988年まで走った。地元にとっては、馴染のある車両である。

 

●貨車4両
・ト1形無蓋車:屋根のないトロッコのような貨車。石炭、石灰、砂利などの運搬に用いられた、島根県の一畑電鉄のもの
・ワ11形有蓋車:屋根の付いた箱形の貨車、新潟県の蒲原鉄道で走っていた車両、ヨ8000形車掌車:貨物列車の最後や機関車のすぐ後ろに連結されていた乗務員用の貨車、旧国鉄のもの
・ワフ15形有蓋緩急車:箱型の有蓋車で乗務員室のついた貨車
貨車4両

SLキューロク館脇には貨車4両が展示されている

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