株価は下落もテンセントは自社株買い
ところで、テンセントの株価動向を考えるとき、重要な1つの指標がテンセントの自社株買いのタイミングです。テンセントは「自社株買いの天才」とも言える企業であり、ことごとく相場の底ばかりで安くなった自社株買いを行ってきました。最初にテンセントが自社株買いを大きく行ったのはリーマンショック後の相場どん底時でした。以降、2010年夏のギリシャショック時、2011年夏の欧州危機時、そして2011年10月初めに香港株が大安値をつけたタイミングでより一層買い増しました。若干早すぎた部分もありますが、これらはこととごく後の株価上昇を先取りしてきました。株価が大幅安となったところで自社の信認を示す為に大量の自社株をする企業は他にもありますが、その後さらに半値となるようなケースもしばしば見られます。しかしテンセントの過去履歴はほぼパーフェクトです。
前述のように2012年の決算発表をうけて株価が200日移動平均線を、出来高を増しながら下へ抜けてしまいました。これは非常に悪いサインです。しかしテンセントは2013年3月21日~27日までの間に、計175万7000株、金額にして4億3400万香港ドルの自社株買いを、5回に分けて実施しました。このことで出来高が増えたものと思われます。
同社の自社株買いに乗るのも一つの方法
ちなみにテンセントのファンダメンタルを確認すると、良いバランスシート内容とキャッシュフロー循環を維持しながら、売上・利益、資産規模を年々大きく成長させてきたことが一目で分かります。この綺麗な成長グラフこそが、上場以来最高の株価パフォーマンスを投資家に与えてきた訳になります。ただ利益率は前述の通り減ってきています。しかしレベルとしては、依然として一般的な企業の倍以上もある高いものです。2012年の決算は特別なサプライズもなく、むしろ利益率の低下やオンラインゲームの直近での減速を嫌気して売られたわけですが、長期的に見ると、同社の成長余地はまだかなり残されていると思います。中国のインターネット市場が成熟していく中で、テンセントはいつまでもオンラインゲームばかりに頼って成長を続ける気も無いようです。そのために、モバイル分野や電子商取引及びオンライン決済などの分野でも先行投資をしており、それ相応のコストがかかります。そのために利益率は下がらざるを得ないものです。
テンセントには8億人近い圧倒的なインターネットユーザー基盤があり、今なお年1割ペースで増え続けています。この基盤を活かし、ゲーム以外の様々なサービス基盤を構築している段階にあると思います。このような先行投資が将来花開く、という事をテンセントは自社株買いで表明しているのだと思います。そして、かつてテンセントは自社株買いを行ったタイミングは、すべて「買い」で正解でした。若干早すぎたところもありましたが、大筋では相場の底を当ててきているので、それに乗っかってみることも考えられます。
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参考:中国株通信
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